ソルジャー

2022年02月09日 水曜日

ポール・W・S・アンダーソン監督、カート・ラッセル主演の1998年のアメリカ映画「ソルジャー(Soldier)」

生まれた時に選別され、兵士として教育され続けて感情は無く上官の命令に従う様に育てられたソルジャー達。
そのソルジャー達も数十年を経て歳を取っていたが、彼らの部隊の前に遺伝子操作から作られて教育された新たなソルジャー達が現れた。
旧ソルジャー達と新ソルジャー達の訓練中に、旧ソルジャーのトッドは新ソルジャーからの攻撃を受け死亡したと見なされ、問題が起きない様に廃棄物に紛れ込ましてある惑星に捨てられた。
その捨てられた惑星では移民船の不時着によって惑星から出られなくなった人々が暮らしており、瀕死状態で生きていたトッドは彼らに助けられた。
トッドは彼らとの暮らしで戦争と戦いだけだった生活とは違う、今までに無かった体験をした。
そんな暮らしの中、新ソルジャー達の現場訓練としてその惑星に武装した新ソルジャー達が送り込まれ、人々の集落を攻撃して来た。
トッドは人々を守る為に新ソルジャー達と戦い始めた。

カート・ラッセルが出ているので見てみたけれど、カート・ラッセルが寡黙で感情の無い人物を演じ、その主人公が徐々に何かを感じて行動し始め、主人公がやたらめったら強過ぎて敵を全滅にさせるので、カート・ラッセルを楽しむなら良いんだけれど、映画全体としては常におもしろくなりそうな感じはあるのにそうはならないという非常に物足り無さばかりを感じた映画だった。

カート・ラッセルは作られた兵士で物悲しく、そこを見せたいのは分かるし、最終的にカート・ラッセル無双を見せたいのは分かるのに、無感情から感情が芽生える主人公の話はもっと何か出来そうなのに感情の描きが全然足りないし、カート・ラッセル無双はおもしろかったけれどカート・ラッセル無双に振るなら前半がまどろこっしく感じてしまったしで、不足と余分が悪い方ばかりに出ていた感じ。

このソルジャーの設定も、恒星間航行もする位の科学技術が進んでいる中で未だに生まれた時から育てるって費用も時間もかかり過ぎで効率が悪過ぎ。
もっと、誰でも百発百中の銃とか、化学兵器とかを研究した方が大分ましだし、それだけの科学技術あるならロボット兵器じゃないの?
司令官達を見ていても時間と費用を物凄くかけているのにあっさり使い捨てとかするし、勝っても負けても何の意味の無い戦いでソルジャーに被害が出ても突き進むとか余りに頭が悪くて、だからこんなソルジャー計画をやっているのだろうなとは思ったけれど、それにしてもしょっぱい。

何でかなぁ…と思ったら、監督が「駄目な方のポール・アンダーソン」でお馴染みポール・W・S・アンダーソンだからか…。

役者陣ではテレビドラマ「ER」でシーズン1から長期間に渡って看護師を演じていたエレン・クロフォードコニー・マリー・ブラゼルトンの二人が移民のちょい役でいたけれど、何故同時に?で、この映画が「ER」と何か関係あったのだろうか?

この映画、せっかくのカート・ラッセルのアクション映画なのに哀しい兵士と言う部分を活かし切れず、アクション映画としては地味だしで、カート・ラッセルが勿体無い。
本当にせっかくの題材を活かせない「駄目な方のポール・アンダーソン」映画。

☆☆★★★

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