アタック・ザ・ブロック

2021年07月03日 土曜日

ジョー・コーニッシュ監督・脚本、ジョン・ボイエガ主演の2011年のイギリス映画「アタック・ザ・ブロック(Attack the Block)」

低所得者向けの団地に住むモーゼス率いるチンピラ少年団が夜道で一人の女性を脅して強盗をしていると、空から隕石の様な何かが落下して来る。
その中からは奇妙な生物が現れ、チンピラ少年団はその生物を追い詰め殺してしまう。
空から更に幾つもの物体が落ちて来て、その中からも黒い毛むくじゃらの生物が現れ、チンピラ少年団を追いかけて襲い始めた。

Amazon プライムビデオで配信が終わりそうだったので見てみたシリーズで、題名位の前知識で見てみた。
しかし、本当につまらなかった。

馬鹿な子供達が強盗を働き、何か分からない生き物を殺して喜んでいる初めの時点で既に興味は全く湧かずで、この何も魅力も無ければ共感性も無いチンピラ達が主人公で話が進んで行っても全く見入る事がないまま。
何もしていないのに巻き込まれてしまうなら見れもしたけれど、頭の悪い短絡的な行動で生き物を殺してしまったので追いかけられて殺されるって自業自得感しかないし、この登場人物達が生きようが死のうがどうでもよくなってしまっていたのでその時点でわたしの中でお終い。
モンスター映画に貧乏と犯罪という題材も入れているのは分かるけれど、貧乏でも正しく生きている人はいる訳で、まだチンピラや犯罪者への共感性や目を向けるというのが主題なら見れるけれど、そこもそこそこに主題がモンスター映画だしなぁ。

モンスター映画としても微妙なのが、モンスターは黒いデカい犬かゴリラっぽくてモンスターとしてしょうもないし、ぬいぐるみ感を余り見せないようにする為なのか、カメラはモンスターの動きをワンカットで詳しく見せない上に、全身が黒いのでモンスターの動きがよく分からず、モンスターの恐怖感が大分物足りない。
モンスターの恐怖感は足りなさ過ぎるのに、突然登場人物がモンスターに食いちぎられて血を撒き散らして死んでしまい、急な残酷さが点在しているのも違和感。
このチンピラ少年団はさっさとモンスターに殺されれば良いのにとは思うけれど、子供が血を撒き散らしてモンスターに噛み殺されるのを見て何が楽しんだか?

モーゼスが同じ団地の人間だからという所での共感性を持つって、同じ中学校や高校の先輩後輩だから見逃してやるよ…のチンピラ感で反吐つきそうだし、その割に家の近くで強盗しているしで、全然ピンと来ないし、感じている事とやっている事がチグハグ。
最終的に自業自得でのモンスターの攻撃から切り抜けたら「モーゼス!モーゼス!」と称えられるのは最高に気持ち悪かった。
どう見ても無能から来る迷惑を他人にかける馬鹿がカリスマや救世主扱いされるってのは、政治家や宗教家に対する皮肉なんだろうか?

あと、このモンスターって恒星間航行もしているみたいだけれど、大気圏で燃え尽きない殻をどうやって作っているのかもあるけれど、そもそも到着した惑星から出る時にどうやってその惑星の重力圏から脱出しているのだろう?強烈な屁とかなのかなぁ。

役者は主役のジョン・ボイエガって、デンゼル・ワシントンみたいな顔しているなぁ…と思ったけれど、スター・ウォーズのエピソード7以降でフィンを演じているのか。
わたしはエピソード7以降を見ていないので全く知らなかった。
ジョン・ボイエガではなく、看護師のサム役のジョディ・ウィテカーの方がどっかで見た事ある様な…?と思っていて調べてみたら、「ドクター・フー」の13代目ドクターで、それで見た事があるのかと分かった。
「ドクター・フー」はまだ10代目ドクターの部分を見ていて、ジョディ・ウィテカーのドクターは見ていないけれど新シリーズのドクターの顔は一応は知っていたので、この映画でもずっとドクターでは?とは思っていた。

この映画、初めの主人公の人物設定で一気に見る気が失せ、しかもモンスター映画としてもおもしろくはなく恐怖のホラーにはなっていないし、モンスター退治のアクションも全然だし、おもしろそうな会話をしている感じではあるけれどコメディとしてもおもしろくないし、やりたい事はわかるけれど結局この映画は何を見るべき映画なんだろうか?
余りにつまらないので大分早送って見てしまった。

☆★★★★

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