ラグナロク オーディン神話伝説

2021年06月25日 金曜日

ミケル・ブレネ・サンデモーセ監督、ポール・スベーレ・ハーゲン主演の2013年のノルウェー映画「ラグナロク オーディン神話伝説(RAGNAROK)」

シーグルはバイキングを研究している考古学者で、研究資金を出しているスポンサーの前で遺物のルーン文字から北欧神話のラグナロクは実際の出来事を基にしていると主張したが呆れられ、研究資金の援助を打ち切られてしまう。
落ち込むシーグルに仲間の研究者がルーン文字の掘られた石板を見つけて持って来た。
そのルーン文字を解読するとバイキングが辿り着いたオーディンの眼への地図だと分かった。
シーグルは二人の子供と共にバイキングの痕跡とラグナロク伝説の証明の為に地図が指し示す島へと向かう。

Amazon プライムビデオで配信が終わりそうなので見ているシリーズで見てみた映画。

前知識は題名とプライムビデオでの説明文だけで、その説明文では「北欧で最も有名な神話≪ラグナロク≫を映画化!」と書かれているので、てっきり北欧神話の神々が巨人やフェンリルやヨルムンガンド等の怪物達と戦うラグナロクを映像化した壮大な神話アクション映画だと思っていたら全く違い、巨大モンスターのパニック映画で何じゃこりゃ?になってしまった。
しかも、巨大モンスターのパニック映画としては非常に下手な展開。

始まりはバイキングが何か巨大なモノと戦いそうな場面から始まったので結構ワクワク感があったけれど、本編は現代で、シングルファーザーの考古学者の話で、行き成り「あれっ?」
まあ、そんな話なのかと思ってはいたら、「ラグナロクは実際にあった出来事が基になっている」とか、見つけ出した石板に遺物を合わせて地図だと分かるとかの展開になり、これはインディアナ・ジョーンズ的なファンタジーが混ざった探検冒険活劇になるのか?と思ったのに、主人公一家と仲間達の地味な遺物発見記になって、結構退屈な流れが続く。
かと思いきや、終盤になって突如巨大な蛇が現れて巨大モンスターのパニック映画になるという変な構成。
巨大モンスターのパニック映画が見せ場なのだから、この巨大な蛇への伏線をもっと早い段階から張っておくとかしないと。
一時間半程の映画で巨大な蛇が登場するのが一時間位経った所って遅過ぎ。
振りは少ないし、巨大な蛇が登場するのが遅過ぎで、結局何を見せたいのかが中途半端だし、中盤まではじっくり描いているのに最終的に粗製濫造され続けているアメリカのB級C級モンスター映画と大して変わらない感じで終わってしまうし。

気になったのはノルウェーの感覚。
主人公が子供達を連れて物凄い岩山や森に入って行くのだけれど、これってノルウェー人からしたら「まあ、あるかな。」なのか、「いや、無い無い!」なのかどっちなのだろう?
物凄い自然なんだけれど、日本だと田舎に行って登山している感覚と同じなのだろうか?
それに、森の中でソ連との戦争時代の車両や戦車が放置されていたけれど、主人公達も子供達もそれ程食いついていなかったのは、ノルウェー人からしたら「あるよね。」的感覚なんだろうか?

バイキングの遺物を見付けた時に、「これはトンデモない物だ!」となってその価値や感覚が分かったけれど、ノルウェーにおけるバイキング研究を知らなかったので前半の考古学の部分がピンと来ていなかった。
日本だと場所によっては地面掘ったら弥生時代や縄文時代の土器とか出て来るし、家を更地から建てる時は一度その土地の発掘調査してからでないと家が建てられない様な地域にわたしが住んでいたりするので、千年前のバイキングの遺物ってそんなになの?状態だったりするのかも。

この映画、「ノルウェーで興行第一位を記録」したらしいけれど、正直何で?な映画。
北欧神話に絡めてはいるけれど、結局は巨大モンスターのパニック映画だし、それにしては見せ場までが遅くて、そこまでが結構退屈だし、これならアメリカのB級C級モンスター映画の中ですらこれよりもワクワクする映画あるんじゃないの?な映画。

☆☆★★★

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