ジャッジメント・フライ

2019年12月25日 水曜日

ブラッド・オズボーン監督、アンソニー・モンゴメリー制作・主演の2013年のアメリカ映画「ジャッジメント・フライ(Chariot)」。

トラック運転手のコールが目を覚ますと飛行中の旅客機の中だった。
コールは旅客機に乗った覚えも無く不思議に思っていると、他の六人の乗客達も同じ様に旅客機に乗った記憶が無かった。
一人の乗客が携帯電話を見つけニュースを見ると、アメリカの各都市が何らかの大規模な攻撃を受けた事を知る。
七人の乗客達は何故旅客機に乗っているのか?外では何が起こっているのか?を突き止めようとする。

出て来る場所は飛行機の中だけ。
登場する人物も十人程だけという、非常に限定された場所と人数での密室サスペンス。
発想としては今では有り勝ちで、展開もまあまあなんだけれど、中々良く転がして飽きさせないようにしていて、少作としては良く出来ていたと思う。

ただ、展開と真相の為に粗が多くなってしまっているのは結構痛い所で、そりゃあ目的も分からずに急に飛行機に乗っているとなれば問題も起こるだろ…とか、乗客を守る目的なのに操縦室の扉を開けたら問答無用で皆殺しとか意味不明過ぎるし、黒幕は用意周到過ぎるのに根本的にアホとかどうしようもないのはどうにも…。

あと、これまでの映画やドラマで疲れて来たお馴染みの展開もしょっぱさがあり、特に思ったのはこういう飛行機が舞台だと必ずと言っていい程飛行機を運転した事のない人が最終的に着陸を試みるって、これって絶対にやらないといけないんだろうか?

それと映像に関しては、ここ二十年位だと思うけれど特に安い映画やドラマで多用される手持ちカメラで画面を揺らして緊迫感を出すという演出は単純にブレブレで見難いだけだし、ただでさえ狭い飛行機の中なのに登場人物達の顔の寄りばかりで引きの映像が少なくて登場人物の位置関係とかが分かりにくいし、アップばかりで映像的に面白味が無くて見ていても疲れた。

最後のぶった切りに関しては、飛行機の中だけでの話で進めたので最後まで外見を映さないとか、外見を映すとその分お金がかかるので映さないで安く仕上げたという部分で感心してしまった。

この映画、もうちょっと脚本練ったり、映像も工夫すればもっとおもしろくなったんじゃあないかな?と思ってしまう出来。
謎で引っ張るサスペンスって、後から思い返すと色々な部分で間抜けな感じがあってしまうし、決めた話を進める為の都合の良さを感じてしまうので、どうしても見終わった後のいまいち感があるけれど、この映画もその一作。

☆☆★★★

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