アトラクション 制圧

2018年09月07日 金曜日

フョードル・ボンダルチューク監督、イリーナ・ストラシェンバウム主演の2017年のロシア映画「アトラクション 制圧(Prityazhenie)」。

隕石雨が降る日、ロシア上空で謎の飛行物体が確認され、軍は物体を撃墜した。
学生のユリアは彼氏とイチャイチャしている所に物体が墜落し、友人を亡くしてしまう。
ユリアは彼氏の友人達と墜落した物体から出て来た生命体に復讐する為に進入禁止区域に入るが、生命体に命を助けられ、生命体は落下して停止。
生命体だと思ったのはアーマーの様な物で、中からは地球人と見た目の変わらない生命体が現れ、生命体は怪我をしていた為にユリアは助けようとする。

宇宙人モノという事とロシア映画という事位しか事前情報を得ずに見てみたのだけれど、盛り上がりは宇宙船の墜落場面までで、SF映画としては今更感一杯、既視感一杯な題材な上、登場人物達が馬鹿過ぎて、早い段階から早送りしてしまった位のつまらなさだった。

ほとんど見る事の無い、今まで見た事も少ないロシア映画なので、ハリウッド映画とも邦画とも違うモノを求めていたのに、ハリウッドのどうしようもないディザスター系宇宙人モノ映画と大して変わりない題材。
突然の宇宙人の侵略かと思わせておきながら違う方向に展開が進むのは良いのだけれど、最終的に非常に進んで優れた宇宙人が地球人を説教するって、何十年前のSFだ?
全てが整い、全てが単純に平和に暮らしている宇宙人が、複雑化に複雑化してしてしまい抜け出す道さえ分からない地球人に説教って、明日の日の食べ物も困っている貧乏な人々に大金持ちが「何で憎しみ合っているの?」と言っている感じがして、冷戦下時代のSFならまだ分かるけれど、今更これやる?だし、最終的に「愛こそ至上!」にはゲッソリした。
主人公が衝動的で感情で行動原理がコロコロ変わる少女なので、そこの層向けの「愛が世界を救う」なんだろう。
だから、ハードSFではなく、ティーン向けのヤング・アダルト小説のノリで見ないと全くついて行けないんだと思うし、わたしは全然ついて行けなかった。

そこでもついて行けなかったけれど、それ以上に置いてけ堀だったのが登場人物達の馬鹿さ。
この馬鹿さは最後の「地球人は愚かだ」に行き着く振りでもあるのだけれど、その振りの為の馬鹿さではなく、皆の行動が頭が悪いという馬鹿さは単に脚本が馬鹿だという事にしか思えず、それが耐えられなかった。
初っ端から宇宙人の宇宙船は恒星間航行もしているのに隕石で故障してしまう余りに低い科学技術力とか、ロシア上空に謎の飛行物体が現れたのでロシア人は見境無くとにかく打ち落としてしまい、当然モスクワの住宅地に墜落し大量の死亡者を出してしまう頭の悪いロシア政府から始まり、親友を亡くしたので拳銃一丁で宇宙人を殺しに行こうとする頭の悪い主人公は、中からロシア人風の宇宙人が出て来て、それが男前だったので宇宙人側に速攻で寝返り、これだけの大問題になっていて、しかも自分の父親は冷静に判断する結構な決定権を持った軍人なのに自分一人で何とかしようとし始めるし、元彼は自分の彼女を取られたので最終的に宇宙人と痴話喧嘩とか、一々頭の悪さを見せつけられてもこちらの興味は引かれる訳はない。
この痴話喧嘩もティーン向けにした為だと思うけれど、宇宙人が男前のロシア人だから惚れるとかの白けっぷりったらないし、地球人が愚かという象徴の為の元彼は単に馬鹿なチンピラなので地球人どうのこうのではなく、むしろ主人公が馬鹿にしか思わないし。

題材や話や展開は駄だけれど、初めの宇宙船墜落や宇宙人のアーマーは造景もCG的にも良く出来ているし、細かいカットを挟み込んで映像的に飽きさせない様にはしている。
それに何か新しい事をしようとしている点は良いのだけれど、結局ハリウッド映画の何番煎じにしかなっていないのは…。

この映画、見慣れないロシアのSF映画だったので期待は大きかったけれど、結局早い段階でつまらなくて飽きてしまい、どうでもよくなってしまった。
アメリカだと超大作から少作まで様々なSF映画があるので駄作もあるけれど良作もあって見る気は出て来るけれど、日本も含め、そもそもSF映画が少ない中で作られた大作SF映画がこんな映画でしかないと、その国の映画製作事情も含め全体のしょっぱさを感じてしまい、その国産映画を見る気が失せてしまう。

☆★★★★

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