ウルヴァリン: X-MEN ZERO

2009年08月19日 水曜日

「ウルヴァリン: X-MEN ZERO」の試写会が当たったもので、試写会なぞ何時以来振りか忘れたが行ってきた。

わたしは小プロマーベル翻訳刊行直撃世代なので、X-MENシリーズは良く読んだし、今も未だに読んでいない原書が数百冊はあるという様な感じ。

で、X-MENの映画は、1・2となかなか面白かったのだが、監督のブライアン・シンガーが降りてからの惨劇で、「ウルヴァリンだけのスピンオフが出来る!」と聞いても不安ばかりだった。そして、まさにそれが見事的中のつまらなさだった。

話の展開がありがちと言うか、安いと言うか、まるでわたしが予知能力を持ったミュータントかといった位先が見える、そのままの展開。
女性が倒れてウルヴァリンが駆け寄った所では、こういう場面お決まりの「抱きかかえて『ウォー!!』って叫んで、カメラが引いて行くぞ!」と思っていたら、そのままの演出で笑ってしまった。日本だと、今さら「女性が倒れて、抱きかかえて『誰か助けてください!』」と言う位の、今更これやってしまうのかと言う感ばかりな場面。

ところが、後半になってくると先の読めない謎の展開が。何故入っているか分からない老夫婦との交流場面とか、今まで兄ヴィクターを必死に追いかけていたウルヴァリンなのに、横からガンビットが邪魔したらヴィクターをあっさり見逃してガンビットとケンカを始めたり、話の主題であるはずの「兄弟げんかと復讐」で散々引っ張っておいたのに、最後はヴィクターが「お前を倒すのはオレだ!」という事で今までの事をあっさり水に流して、急にいい奴でさよならそれまでヴィクターはただの「頭のおかしい快楽殺人鬼」だったのにこの展開は…?

見る前は、コミック版の「ウェポンX」みたいに陰鬱、混乱で話が進んで行くのかなと思っていたら、ウルヴァリンはあまり悩まずサクサク行動するし、しかも導入で主題だったはずの「兄弟げんかと復讐」の話がうやむやの内に終了したので、ほんとにウルヴァリンのオリジン紹介の映画。
わたしみたいに、ウルヴァリンはそれなりに良いキャラクターだとは思うけれど、過去とか余り興味無い人は「特に・・・。」という感じしかないのかもしれない。
だから別の所で楽しんでいた。「あ、パッとしないガンカタ!」とか、「7人だからTEAM 7か?」とか、「ブロブ!」とか、「デットプール退場かと思ったらスピンオフもあり?」とか、「あ、スコットだ!」、「あ、スコット居残りさせられてる!」、「スコット壊しすぎ。」、「意外と良い見せ場あるじゃない、スコット。」とか。

正直な所、ローガンの過去とかウルヴァリン対セイバートゥースの兄弟げんかより、サイクロップス対ハボックの「オプティックブラスト対衝撃波…だけど血縁者には効果が無くて、 お互いの服ビリビリに破れてのサマーズ兄弟の殴り合いのケンカ」や、「ケーブル切れてるし、また知らない子供出て来た。こまったなぁ…ジーン…。」とかの、サマーズ一家のゴタゴタ話の方が、わたしは見てみたい。

毎度、洋画の邦題には?な所が多かったけれど、今回の「ウルヴァリン: X-MEN ZERO」はちょっと気が利いているかも。本来は「X-Men Origins: Wolverin」という、まさに内容そのまま、字の通りの題だけれど、邦題は巷でよく見るカロリーゼロとかの「ZERO」商品のごとく、X-MENの要素がが限りなくゼロに近い、殆ど含まれていないという事を皮肉的に表している。

でも、3で散々な扱いだったあの人出て来てちょっと嬉しかったのだけれど、CGでしわ消して、さらに妙に紗が掛かっていて妙な気持ち悪さがあった。こっちのオリジンを御大二人でやってくれてもいいのに。そういう話があったのにどこへ?

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