SHERLOCK シーズン4

2017年08月01日 火曜日

2014年のシーズン3から、2016年の特別編「SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」を挟み、2017年に開始となったシーズン4。

SHERLOCK」って毎シーズンの最終話はクリフハンガーするけれど、その解決編となる次シーズンの開始が二年後とか間が開くので、ほとんど前回までを忘れてしまっているのが痛い所。
二年も開くと「待ち遠しい!」ではなく、「見るの面倒くさ…」になってしまうし。
わたしはその感覚で録画しておいた「SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」を見ないままでいたのだけれど、シーズン4の開始を知って、やっと「SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」を見てからのシーズン4。

「SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」が前のシーズン3とは余り関係無い話で、中身もいまいちだったので、やっぱりシーズン4は「前まではどんな感じだったけ?」状態で見始め、1話目の「六つのサッチャー」の前回までを見て何となく思い出した。

しかし、ここまで酷く、ここまでつまらなくなるとは思ってはいなかった。
シーズン3の3話目辺りでシャーロック・ホームズの推理モノから徐々に舵を切り始めて「これじゃあない…」感を感じていたけれど、シーズン4は推理モノからサイコパスとの対決モノになって、まあつまらない。

「シーズン4はまたモリアーティでシーズン引っ張るのか…」と結構ガッカリ感で始まったシーズン4。
「SHERLOCK」は現代に舞台を移し、シャーロックもワトソンも新たな人物像にして非常におもしろかったのに、モリアーティは近年のフィクションで使い古されてしまった、常に自分が優位に立ち、悪い事を何とも思っていないサイコパスという、まあ見飽きてしまったしょうもない典型的な悪役で、それまで色んな新しいシャーロック・ホームズをしているのにモリアーティが出て来ると途端につまんなくなってしまう。
そのモリアーティが死んだのに「死んでない」で引っ張り続けられるのは正直しんどい。

それにシーズン4って、そもそもシーズン初期におもしろかったシャーロックとワトソンの夫婦漫才による事件捜査が薄れて行き、それぞれの家族話に集中してしまって、「SHERLOCK」で見たいモノが無くなって行った。

1話目「六つのサッチャー」からして、シーズン3の3話目でのシャーロックの射殺事件をクリフハンガーで引っ張っておきながらあっさり無かった事にするという、「SHERLOCK」のこれまでのシーズンと同じ様なクリフハンガーの結末のお座なり感で始まって、始めの時点で結構興味が失われてはいた。
始めは事件があっさり片付いたと思ったら、シャーロックが気になったちょっとした事からドンドンと話が大きくなり、ワトソンの妻のメアリーの過去話になり、そこまではおもしろい展開だったのに最終的にはアレな所に落としてしまって、「これって、『SHERLOCK』に求めていないよなぁ…」と思ってしまった。
「SHERLOCK」って、シャーロックとワトソンの不可思議な事件の解決をワクワクしながら、二人の掛け合い漫才を楽しみながら見るドラマだと思っていたのに、この展開はどうなの…?
原作小説を余り知らないわたしもメアリーが原作ではどうなったかは知っていたので、この「六つのサッチャー」での結末はそうならざるを得ないのかもしれないけれど、展開としては早過ぎるし、この「SHERLOCK」でのメアリーの設定が大分無茶苦茶しているので別に原作に沿わなくても良かったのに…とも思うのだけれど。
また、犯人が銃を持っていて撃ってしまうというのもメアリーの結末が決まっている為に結構強引な展開。
一話目だけなく他の回も強引さが目立った。

2話目「臥せる探偵」はワトソンの立ち直りをシャーロックとの関係で描くのだけれど、この回ではシャーロックはワトソンとの生活でまさかの感情的、感傷的な人間になっていたという事が分かり、二人の関係性としてはおもしろかったのだけれど、肝心の事件捜査がおもしろくなかった。
またサイコパスな殺人犯で、もう飽き飽き。
しかも、シャーロックの妹を出す為の伏線の回なので、話が物凄く強引。
シャーロックが殺人犯と気付く為の原因がよく分からない都合の良さでメモを手に入れているし、そこ彼処で各人が考えた通りに物事が進むという都合良さ。

そして3話目「最後の問題」はシリーズ全体でも最低のつまらなさ。
ホームズ家の一番下の妹ユーラスの存在が分かるのだけれど、このユーラスが頭が良いので常に自分が優位に立ちシャーロックを翻弄する事を楽しむサイコパスという、1990年代頃からかな?散々ハリウッド映画で使い回され、擦り倒された典型的な悪役の人物像な上、これまで「SHERLOCK」でモリアーティとか、シーズン3で出て来たマグヌセンとか、シーズン4では1話目の最後急にサイコパスになった犯人のお婆ちゃんとか、2話目のカルバートン・スミスとか続けざまにサイコパスを出して来て、サイコパスとシャーロックが対決するという話ばかりで使い回し感を感じるし、既視感しかない。
しかも、人の生き死にがかかったゲームのサイコ・スリラーとか、もう散々ハリウッド映画で粗製濫造されて来た様な事を臆面も無く「SHERLOCK」でやってしまっているというつまらなさもある。
「SHERLOCK」のおもしろさって、シーズン1・2の様なデコボココンビの推理モノじゃあなかったの?
何でサイコパスとの対決モノにしたり、こんな安っぽいサイコ・スリラーに舵を切ってしまったのだろうか?
それに、シーズン4のこういう展開って、それまで鋭い観察眼で次々と事実を突き止めて行った賢いシャーロックがサイコパスな犯人が出て来たら突然ただ振り回されるだけになり、シャーロックが急に間抜けに見えて、今までの活き活きとしていたシャーロックがサイコパスな犯人と言うよりは脚本家の考えた仕掛け通りに都合良く動くだけの操り人形にしか見えて来ず、「SHERLOCK」のシャーロックの良さをわざわざ殺す必要ってあったのかしらん?

それに酷いのは、これまでもそうだったし、シーズン4のこれまででシャーロックとワトソンの関係性を描き、愛憎を描いたのに、ユーラスの登場でシャーロックのワトソンとの関係が薄まって、あれだけ「ワトソン!ワトソン!」だったのに、結局「血の繋がりには勝てない」というつまらない、有り触れた結末に辿り着いてしまったのも、折角これまで描いて来た事をおじゃんにしてしまっている。

序盤でシャーロックの部屋が爆弾で爆破され、シャーロックとワトソンが窓から爆風と共に飛び出すとか、もうアクション映画で「何じゃ、こりゃ?」だったし、ユーラスがどうやって外に出たのか?という謎も「全員をユーラスが洗脳して操っていたからでした」とか、もう冗談の様な脚本のお手軽設定だし、ユーラスの閉じ込められている島の部屋や監視している部屋が昔の「007」とか、B級アクション映画の悪役が住んでいる様な安っぽさとか、本当に緩いB級・C級アクション映画を見ている感じだった。
映像的にも「これじゃあない」感が強く、どんだけハリウッドのアクション映画したかったんだよ…と。

あと、この回での謎となるユーラスの場所を示す歌も、シャーロックが勝手に納得するだけで謎解きの説明は無いという酷くお座なりだったし。

このシーズン4が余りに酷い出来だったので、海外での評判が気になったので色々調べてみたら、Rotten Tomatoesでは、

シーズン1 TOMATOMETER 100% AUDIENCE SCORE 98%
シーズン2 TOMATOMETER 93% AUDIENCE SCORE 98%
シーズン3 TOMATOMETER 96% AUDIENCE SCORE 95%

と、まあ凄い高評価だったのに、シーズン4は、

シーズン4  TOMATOMETER 66% AUDIENCE SCORE 37%

と AUDIENCE SCOREが余りに低過ぎ。
海外でも駄作扱いか。

The A.V. Clubでも、シーズン4の1話は「B」。2話は「B+」なのに、3話は「D+」とシリーズ中最低。
こっちでも低評価。

「SHERLOCK」はシーズン1・2とおもしろく見て、シーズン3で徐々に「ん?」と違和感を感じ始めたけれど、シーズン4で完全に「これじゃあない」感一杯で、あのおもしろかった推理モノがどっかに行ってしまい、謎は次の謎を見せる為の伏線に使われる為の謎で、謎解きのおもしろさが全くなかったし、強引に3話目でまとめた感じはするけれど結局有耶無耶感ばかりで、本当に酷いシーズンだった。

噂ではただでさえ不定期過ぎるシリーズになってしまっているのに、ベネディクト・カンバーバッチマーティン・フリーマンの二人が忙しくてこれ以上続けられない様だし、このシーズン4の最終話が今まであったクリフハンガーが無く、最終回っぽい感じで終わっているので、このシーズン4で終りだと言う話もあるらしいけれど、流石にこの体たらくでお終いって酷いだろ。
シーズン4を無かった事にして、再びシーズン1・2の様なシャーロックとワトソンの愉快な捜査モノをシーズン5でやって終わりにしないと、これじゃあシーズンを重ねた為に駄作になってしまって「あ~あ…」というドラマで終わってしまうじゃない。
 
 
関連:SHERLOCK シーズン1
    SHERLOCK シリーズ2
    SHERLOCK シーズン3
    SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁

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