第51回スーパーボウル

2017年02月07日 火曜日

ここ数年は12月31日が年末ではあるものの、期末という感覚が無く、期末はスーパーボウルが終わった時になってしまった。

2016~2017シーズンのNFLも開幕から見ていたけれど、やっぱりおもしろかった。

昨年のスーパーボウル・チャンピオンのデンバー・ブロンコスペイトン・マニングが引退し、レギュラー・シーズンでは衰えが出まくったペイトン・マニングより穴を埋めたクォーターバックのブロック・オズワイラーの方が全然良いじゃん!と思っていたら、まさかのヒューストン・テキサンズへ移籍。
テキサンズもプレーオフまで行ったものの、テキサンズファンのオードリー若林にまで「微妙」と言われるオズワイラー。やっぱりチームで合う合わないがくっきりと出てしまうんだなぁ。
ブロンコスのQBになったトレバー・シーミアンも微妙で、チームも結局上がらなかったし。

昨年のスーパーボウルのもう一方のカロライナ・パンサーズは去年の勢いが全く無く、まさかの地区最下位。この急落は何なんだろう?

QBでは何でかチームのダラス・カウボーイズも人気があり、評価は高いトニー・ロモは毎年爆発しないままですっとパッとしないQBだったけれど、今シーズンは怪我で早くも交代したら、その替わった新人のダック・プレスコットが爆発。カウボーイズを一気にカンファレンス1位まで持って行ってしまい、このはっきりとした結果による選手の交代劇もスポーツのおもしろい部分。

最後は怪我で勿体無かったオークランド・レイダースデレク・カーとか、ワシントン・レッドスキンズカーク・カズンズとかの若手が育って来ておもしろかったし、パッとしなかったフィラデルフィア・イーグルスからミネソタ・バイキングスに移ったサム・ブラッドフォードがシーズン序盤でまさかの爆発したのに結局後半でパッとしない位置に戻ったりと、色々おもしろい部分があった。

けれど、やっぱりカンファレンス・チャンピオンシップに残ったのは経験のあるQBのチームばかりで、スーパーボウルに行ったのは史上最強のQBトム・ブレイディニューイングランド・ペイトリオッツと、攻撃力が半端無いQBマット・ライアンアトランタ・ファルコンズ
近年はベテランのポケットパサーQBのチーム対若手モバイルQBのチームという対戦や、攻撃型対守備型という対戦が続いた中では目新しいどちらもベテランQBの攻撃型チーム同士の対戦で、ワクワクがあった所。
 
 
実際の「第51回スーパーボウル(Super Bowl LI)」の試合と言えば、わたしが見た中のスーパーボウルでも最低で最高の試合だった。

試合最序盤は、どちらも攻撃型なのでバンバン点を入れ合って追い付け追い越しの展開かと思いきやディフェンス合戦でおもしろかったけれど、ファルコンズが一気に三本タッチダウンを取ってからが、まあつまらない。
わたしはどっちが勝て!とか、何処かのチームの熱心なファンでもなく、単に「おもしろい試合が見たい!」「凄い試合が見たい!」なので、この一方的な試合展開や、これまであれだけ強かったペイトリオッツが全然良い所無いのが結構自分達の失敗が多いので、試合最序盤の盛り上がりが一切無くなってしまった。何と言ってもここまで離される一方的な展開は、レギュラーシーズンの試合でもつまらないし。
ずっと3ポゼッションも離れて、「このまま特に見るべき展開も無く、ファルコンズの一方的な勝ちになるのか…。つまらない試合だなぁ…」と第4クォーターの中盤までそう思って、何度も早送りしようかどうか迷っていた。

しかし、第4クォーターの中盤からのトンデモない展開に興奮で震えてしまった。
ペイトリオッツの負けが濃厚な中、一つタッチダウンを返し、またもやタッチダウンし、しかも2ポイント・コンバージョンまで決め、ここら辺から「まさか、同点?逆転行く?」という雰囲気が会場や解説陣にも現れ、それがまさかの実現して、最後の最後で同点に。
スーパーボウル初のオーバー・タイムまで行き、最終盤での勢いを保ったペイトリオッツが疲れの見え始めたファルコンズを一気に押し切っての大逆転勝利。
本当に「何じゃ、こりゃ!!」なトンデモない展開。
第4クォーターまで、多分見ていた人のほとんどがペイトリオッツの負けを確信していたはずなのに、そこからの劇的過ぎる逆転劇って、映画や漫画だと馬鹿馬鹿しいご都合主義的なやり過ぎ脚本だけれど、それが現実で起きて目の当たりにすると、凄い興奮と泣きそうな程の感激。

わたしはペイトリオッツファンではないけれど、スーパーボウルにペイトリオッツが上がって来て欲しいのが、正にこれ。
ペイトリオッツのスーパーボウルでの試合って毎回僅差の勝負になるし、ニューヨーク・ジャイアンツとの試合でのヘルメット・キャッチとか、第49回スーパーボウルの対シアトル・シーホークス戦のずっと追いつ追い越しの緊迫し続ける展開があってのペイトリオッツが負けそうな中での最後のマルコム・バトラーのインターセプトとか、勝っても負けても試合自体がおもしろかったり、後年に伝説として語られる様な劇的な試合が多過ぎるので勝とうが負けようが関係無くペイトリオッツがスーパーボウルに出て欲しいと思ってしまい、今回もこんな試合見せられたらペイトリオッツが勝ち上がれと思ってしまうじゃない。
ペイトリオッツ自体が、ロブ・グロンコウスキーとかダニー・アメンドラとかの主要選手がいなくても勝つし、何より大黒柱のトム・ブレイディが四試合出場停止になっても控えの若手QBのジミー・ガロッポロでちゃんと勝つしで、チーム自体が強いという部分でも興味の行くおもしろいチームだし。

前人未到のQBとヘッドコーチ初の5回のスーパーボウル勝利という歴史を見れたのがこんな凄い試合で、今回も永久保存版。

 
日本での放送は今回は結構良かった。
わたしはBS1の生放送を録画したのを見ていたけれど、レギュラーシーズンではご存じの通り、三時間枠でも50分放送したら10分ニュースが入るというクソ編成は相も変わらずで、スーパーボウルではハーフタイム・ショー前の空き時間にニュース入れたのでまだ良し。
NHKはウィンブルドンの決勝の生放送でも、試合の途中でもニュース入れて来るという本当に酷い局で、どうしてスポーツ中継で緊急性の無いニュースを入れ込まないと気が済まないのかがさっぱり分からない。

今回のスーパーボウルの中継は、確かプレーオフでは何試合も実況担当していて物凄い活躍してたアナウンサー浅井僚馬が担当。この人聞きやすいし、ちゃんと抑えているしツボを押さえた実況で活躍するのも分かる。
NHKのアナウンサーの中にはやる気が無いのか、全然下手糞な実況をする人もいて、例えば確か酒井博司というアナウンサーだったと思うけれど、この人の実況は解説の人に何度も「いや、それは…」とやんわりとながらも訂正されたり、何だか解説の人がイライラしている感じを感じてしまったし、最後の方は解説の人が率先して喋っていたし、画面上の情報さえも読み間違えるし、前々から「この人、NFL興味無いんだろうなぁ…」とは思っていたけれど、この人シーズン序盤の1・2回程で消え去って、それ以降一切実況してなかった。

解説も当たり外れがあって、宍戸博昭という人は多分他のスポーツ解説の中でも最低かと思う解説者。
何がって、解説しない。
プレーが終わってもだんまりを決め、4・5分何も発さないという解説者なのに解説しないという事が結構ある。
解説自体も見たら分かる事を喋るだけでプレーの詳細を解説しないのでおもしろい試合でも数割減にしてしまう効果があり、この人が解説の時はわたしには完全に外れ回。

今回のスーパーボウルの解説陣は輿亮河口正史の二人体制という珍しい形。
輿さんは、レギュラーシーズンでも凄いプレーが出ると「うひょー!」的なはしゃいで興奮して喋るので聞いていても楽しい人。もちろん細かいプレーの解説をするし、良く喋るし。
河口さんは実況席ではなくフィールドの脇からの解説という今までに無い解説で、これが映像では分かり難い部分を近くで見ているので直ぐに色んな事を指摘して、これは効果的だったし、試合後の選手を捕まえてのインタビューも良かったし。
河口さんに関しては、以前の解説で自分が喋り過ぎたと思ったのか、「『河口黙れ』と思っているんではないでしょうか」という発言があって、「河口黙れ!」は悪口や批判ではなく「河口さん乗ってるな!」のヤンヤの囃子詞になってしまって、わたしの中ではニコニコしながらの「河口黙れ!」が出ていた。

今回のスーパーボウルの様に、こんな凄過ぎる試合を見せられたらNFL見続けるに決まっているじゃん。
早くも九月のシーズン開幕まで楽しみだし、ウィンブルドン以外スポーツ見るモノないし。

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