エージェント・カーター

2016年10月05日 水曜日

映画「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」で登場したペギー・カーターを主人公にした連続ドラマで、マーベル・シネマティック・ユニバースでの二番目のテレビドラマ「エージェント・カーター(Agent Carter)」。
2015年に開始され、最初のドラマである「エージェント・オブ・シールド」のシーズン2の中盤の休止期間に放送された。

1946年のニューヨーク。「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」でキャプテン・アメリカの最後を見届けたペギー・カーターは戦略科学予備軍(SSR)の一員として働いていた。
敵国への武器の密売容疑をかけられたハワード・スタークは行方をくらましていたがペギー・カーターの前に現れ、自分の無実を晴らす為に手助けして欲しいと頼まれる。
ペギー・カーターはハワード・スタークを助ける為にハワード・スタークの執事のエドウィン・ジャービスと共にSSRには知られずに行動し始める。

わたしは「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」を見ていないので、ペギー・カーターを知らないのだけれど、一話目に映画のおさらいもあり、話的にはキャプテン・アメリカともほとんど関係無いのでこれだけで見れるドラマにはなっていた。
…しかし、このドラマ、つまらないと言うよりは一向におもしろくないまま。

1940年代の女性ジェームス・ボンドを狙っているのだろうけれど、テレビドラマな上、多分「エージェント・オブ・シールド」よりも製作費少ないんだろうなぁ…と思わせる、安っぽさとこじんまり感ばかり。
1940年代の雰囲気はあるのかもしれないけれど、それが如何にもセットな作られた感じしかせず、室内セットのどの部屋もやたらと広くて、テレビドラマというよりも舞台劇の中継を見ているかの様。

それに、丁度このドラマの放送時期と同じ、「エージェント・オブ・シールド」のシーズン2もそうだったけれど、話が色々散漫で何を見せたいのかがはっきりして来ない。
ペギー・カーターの超人的な活躍を見せる一方でエドウィン・ジャービスとのバディモノにもなっており、どっちも見せようとしてどっちも押しが弱いまま。エドウィン・ジャービスとのバディモノも途中から一切無くなるし、エドウィン・ジャービスの扱いが物凄い微妙。
ハワード・スタークのみ実を晴らす事が主軸になっているのに、この話はグダグダしていて展開がつまらなく、何時の間にかハワード・スタークの無実を積極的に晴らして行く為の行動よりも、謎の組織リバイアサンとの対決になって行くし。
この展開って、S.H.I.E.L.D.の崩壊から様々な方面から攻撃されたS.H.I.E.L.D.の正統性を証明する為に活動していたのに何時の間にかヒドラとの対決になって行った「エージェント・オブ・シールド」のシーズン2の似てる。二番煎じ感は否めないし、そもそも「エージェント・オブ・シールド」のシーズン2の展開もつまらなかったしなぁ。

ペギー・カーターは1940年代当時の、女性が抑圧されたり社会進出が阻まれる男尊女卑社会で女性の地位を上げたい風な感じもあるのに、ハワード・スターク関連の事件で上手い事すればSSRでの昇進も出来そうな情報を持っていたり行動もしているのにSSRに対しては一切秘密で行動しており、ハワード・スタークとの信頼関係と自分が所属するSSRとの狭間で思い悩むという事も余り無いので、ペギー・カーターは賢い風な人物なのに手際の悪い馬鹿なだけにしか見えて来ず、やっぱりペギー・カーターをどう描きたいのかがいまいち分からない。

それに「ペギー・カーターは凄い!」と言う事を強調する為にSSRの人達は皆間抜けにしか見えて来ず、「SSRいらんじゃん」と思えてしまうし、このSSRの面々もダニエル・スーザ位しか役が立っておらず、他の人々は何度も見ても顔を憶えられない位存在感が薄い。
ペギー・カーターの友達アンジー・マルティネリや、下宿先のホテルでも大勢の女性が出て来るにも関わらず、これらの役は全然目立った活躍も無く、「そもそもいらんじゃん」と思う位のお座なりな脇役。本当にアンジー・マルティネリで何をしたかったのか、良く分からない。

ずっと見ていて、一向におもしろく感じないというのが何から来ているのかなぁ…?と思っていて、数話してから気付いたのは、会話劇のつまらなさ。
エドウィン・ジャービスの返答はコメディしていておもしろけれど、一番多い位ペギー・カーターと同僚の会話は常に皮肉と嫌味ばかりで、これが全然楽しくない。国家規模の事件を追うニューヨークの捜査官達なのに、悪口ばかり言い合う小学生の男女達を見ている感覚になってしまった。

あと、ペギー・カーターを演じるヘイリー・アトウェルは強い女性を演じるのには相応しいのだろうけれど、どうにも1940年代人には見えないし、終始「ゴリラの子供みたいな顔だな…」と思ってしまって、いまいち魅力が感じられないまま。
主役なのに役者も役も魅力を感じないのがつまらないと思う理由でもあるんだろうと思う。

アンジー・マルティネリ役のリンジー・フォンセカって、ドラマ「NIKITA / ニキータ」のアレックス役の人か。「NIKITA / ニキータ」の時はほぼ主役級だったのに、このドラマでの扱いはほんとに脇役で、ドラマ変われば…か。

この「エージェント・カーター」、アメリカでも視聴者数は初回と同日放送の二回目は691万人と、シーズン・プレミアから低調な滑り出しで、三回目には510万人。それ以降は400万人台の前半程度までに一気に落ち込み、シーズン2は初回の318万人を最高に200万人台まで落ち込んでいる。
そりゃあシーズン2で打ち切りにもなるわ。
ただ、視聴者数が減って打ち切りの理由となった「エージェント・カーター」のシーズン2の視聴者数と、「エージェント・オブ・シールド」のシーズン3の中盤以降の視聴者数って、そんなに変わらないのに何故「エージェント・オブ・シールド」はシーズン4も製作されたのだろうか?

「エージェント・オブ・シールド」を録画、BD-Rに保存していたので、この「エージェント・カーター」もそうしようか?と思っていたけれど、予告を見た感じではいまいちそうだったので「エージェント・オブ・シールド」よりも画質を落としての録画だったけれど、数話見てもおもしろくならなかったので録画して残していた分を全部消去してしまった。
「エージェント・カーター」のシーズン2になってもS.H.I.E.L.D.設立には至らないままの中途半端な所での打ち切りみたいだし、シーズン2も見るのが面倒臭くなって来たので、どうするかなぁ…?
 
 
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