THE MANZAI 2014
2014年12月15日 月曜日毎年、漫才大会をテレビで見ると年末を感じる様になった「THE MANZAI 2014」。
何だか「M-1グランプリ」が来年復活するからか、そことの差を見せつける様な感じ。
漫才大会、特にテレビの漫才大会になると、どれだけ細かくボケを入れて笑いを絶やす事無く畳み掛けるか勝負になっていた所があったけれど、博多華丸・大吉の優勝で「THE MANZAI」は完全に演芸の勝負で行く事を見せつけたかの様な感じ。トレンディエンジェルも面白かったけれど、今までの優勝者程の抜けが無かったのかな?アキナはゲイで、トレンディエンジェルはハゲで笑いを取っていたけれど、その差別的笑いが捻った黒い笑いで無く、未だに素直に自分とは違うから笑えるという部分での笑いよりも、非常に朗らかな漫才で全方向向けの漫才をした岡崎さんと大吉先生が優勝したのは印象的。それだけで去年のウーマンラッシュアワーからも大きく大会の方向性が変わった感じがする。
今年の審査委員は物凄く納得な人達を集めていて、今後開催される「M-1」潰しとまでは行かないけれど、「M-1」よりも価値を出そうと今年ベテラン勢を先に集めまくった感じ。ただ、一番若いヒロミでさえもう50歳で、ほとんどが60代の年寄りばかりの審査員に合った早さの漫才師が優勝したのを見ると、お笑い第三世代・第四世代のもうベテランの人達が審査員するとまた違ったのでは?とも思ってしまう。
グループBの予選上位三位の組を抜いてトレンディエンジェルが決勝に行ったのがおもしろかった。他の組は上手い所を付いた漫才で、学天即の奥田のツッコミが結構好きだったけれど、トレンディエンジェルが大会の空気を自分達の所に持って来て爆発したのが意外。
グループCは博多華丸・大吉は面白かったけれど、完全三拍子が爆発していて行くと思ったのに。
毎年思うけれど、漫才の大会なのだから漫才が見たいのに、始まりからプロジェクションマッピングとか、ビートたけしのつまらない寸劇とか全くいらない。その五分十分を出場者の紹介とかに割けばいいのに。それ以上に最後の優勝で終われば良い所を、宮根が出て来て台無し。何で宮根なんか見なくちゃいけないんだ?テレビ放送としては正解の演出だと思っているのだろうけれど、大会としては最悪。「THE MANZAI」が「M-1」程の権威にならない理由も見えて来る。
今回の大会で「THE MANZAI」の立ち位置とこれからの立ち位置が分かったけれど、「M-1」が復活するとなると「M-1」は競技漫才として若手中心で、「THE MANZAI」は中堅以上の演芸大賞になって行くんだろうなぁ。その分、競技としての「誰がどういった新たなネタで優勝するのだろう?」というドキドキ感やワクワク感は無くなり、ベテランの深夜番組ばかりが放送されて行く事になるんじゃないの?今回でもやたらと「家族と子供がいるんです!」「芸歴十何年?」とか、非常に上が詰まっている感を打破出来ない次世代感が凄かったし、結局ベテランが勝って上を倒せない30歳過ぎてもまだ若手、もうそろそろなベテランがベテランを選ぶという日本の縮図的な構図はつまらないと言えばつまらない。単に一大会だけでなく、優勝してテレビスターになって行くという物語があった「M-1」とどうしても比べてしまうけれど、あの優勝が飛び抜けていて、その後もお笑い界で抜けて行く感じも見たい。