続・黄金の七人 レインボー作戦

2014年11月11日 火曜日

マルコ・ヴィカリオ製作・監督・脚本、フィリップ・ルロワ主演の1966年のイタリア・フランス・スペイン合作映画「続・黄金の七人 レインボー作戦(Il grande colpo dei sette uomini d’oro)」。
映画「黄金の七人」の続編。

前作の終わりで金庫を盗み出そうとしている七人は捕まってしまう。政府の高官が尋問する中、教授が現れ、政府がその七人に依頼しようとしている作戦を受ける換わりに報酬を上げろと要求。その作戦は南米の革命派の将軍を拉致する事だった。

前作の「黄金の七人」を見たには見たけれど、それももう二年前なのでさっぱり内容を思い出せないまま、続編を見てみた。
微妙と言うか、全然おもしろくならないのが、目的がさっぱり分からないので結局何しているのかが分からない事。初めに作戦を開始した事が分かるのだけれど、その作戦は政府側は革命派や将軍をどうするつもりで七人に頼んだのかを一切描いていないので、ずっと「何をするつもりなの?」で疑問ばかり。一方の七人も、ただでさえ作戦の本来の目的が分からない上、単に政府の言いなりになる訳ではないだろう…という所は分かるけれど、彼らの目的もはきっりしないままでずっとモヤモヤ。普通だったら「政府はこういう事をさせる為に犯罪者を集めたけれど、それを出し抜いて七人が活躍する」という所を分からせて展開させて行くか、徐々に成程と思わせながら進んで行くんじゃないの?どちらの目的もはっきりさせないままで引っ張っても、見ている方は置いてけ堀で全然入って行けない。
それに前作同様に各人の行動や作業を一々見せるので、全てが回りくどい感じがあり間延びしている。キビキビと裏工作や作戦を実行すれば十分おもしろくなりそうなのに、常に見せる必要も無い様な仕込の場面ばかりが続き、見ていても何も始まらず疲れて来る。
各人も教授やジョルジャははっきりと人物が立っているけれど、それ以外の六人は「この人がこんな特殊技能持っている!」とか、「こういう場面はこの人が出て活躍する!」という事がないので、誰もが同じ様な人物ばかりにしか見えず、七人も必要なの?と終始思っていた。

話も、何で怪盗集団が南米の革命集団を襲撃しないといけないのか?何で終盤で急に仲間割れして、激しい銃撃戦しないといけないの?銃撃戦なのに全然弾当たりゃあしないから、本気じゃなくて何かの見せかけ?教授の簡単な説得と、後ろ向いて知らん振りで、殺し合いをしていた人達が元通り仲良くなるって?等々、単に企画が先行しているだけで、そこに整合性とかは無く、脚本は常に適当。お座なり。
それに敵である将軍は中南米がどうのこうの言っているので中南米人なんだろうけれど、何故か喋っているのがイタリア語なので、場所は何処で、何人が何人と戦っているのかも分からず、クラクラして来る。

この映画、前作も音楽は良いけれど脚本や構成が不味い部分が多過ぎたけれど、その不味い部分だけを増幅した様な出来の悪い映画。最終的に一作目に繋がる様な、円環構造的な部分は良いけれど、それ以外は本当につまらない。

☆★★★★
 
 
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