320万ドルの「Action Comics #1」が読める
2014年11月01日 土曜日先日…と言っても、八月末に「状態の良い『Action Comics #1』がeBayでオークションに出され、320万7852ドル(日本円で約3億5200万円)で落札!」というニュースが出て、「今まででもオークションに出ていたけれど、精々で100万ドルを超す位だったのに、どんだけ状態が良いと言っても流石に320万ドルって高過ぎじゃないの?そんなにコミックスが投資先として良く、今バブル的に値段が吊り上っているの?」と思っていた。
で、この「Action Comics #1」に9.0のグレードを付けたCertified Guaranty Company(CGC)が、その「Action Comics #1」その物の中身をスキャンしたデータを公開していたのを知り、見てみた「Verify CGC Certificatio」(多分、「Action Comics #1」はパブリック・ドメイン)。
これが凄く綺麗。「9.0」を付けるだけの綺麗さ。1938年の紙質の悪いパルプ雑誌とは思えず、最近新たに印刷されたレプリカと言っても良い位の新品さ加減。確かにこんな凄い良い状態で残っている事は奇跡だし、320万ドルの値段が付くのもちょっとは納得。逆にこの「Action Comics #1」が「1938年に買った元の所有者がウェストバージニアの標高の高い家のチェストにしまっていたから綺麗」って本当なのかと思えて来る。まさか、偽造本なんじゃ…なんて思ったり。
投資家や本当のお金に糸目を付けない収集家なら欲しいのは分かるけれど、それでも入札されたのは48件だけって少ないんじゃない?これだけ値が跳ねあがってもマニアの世界なんだろうか?
こんなの手が届く値段じゃないけれど、読むだけだったら無料で読めるという素晴らしさ。ざっと見てみたけれど、色んな部分でおもしろい。
スーパーマンの初登場だけれど、スーパーマンは銃弾を跳ね返したり、怪力や凄い早さで移動はするけれど、まだ空は飛べずに跳ぶだけだし、している事も無実の女性を助ける為に知事に懇願しに行ったり、絡まれているお嬢さんを助けたりと、スーパーヒーローではあるけれどそれまでの普通のヒーローとそれ程変わりなく、今のスーパーヴィランとボッコボコに戦うスーパーマンとは全然違った印象。高層ビルの窓枠に掴まっているスーパーマンなんてスパイダーマンみたいだし。
それと今のコミックスと違い、日本の漫画雑誌と同じ様に複数の漫画が掲載されている。当時のパルプ雑誌の形態としてはこういう複数掲載が普通だったのだろうけれど、だったら何で今のコミックスは一冊に1タイトルだけになったのだろう?
掲載しているのはスーパーマン以外にも、西部劇、コメディ、スポーツ(ボクシング)、犯罪モノ等バラバラ。中には、今のJustice League Darkにいるザターナの父親であるザターラ(John Zatara)の初登場回も収録している(The New 52以降のアース2がどうなっているのか知らないので、血縁関係もそのままなのかしら?)。
各話がバラバラで、それぞれアクション性はあるけれど、何で雑誌名が「Action Comics」なのかもよく分からない所。
あと、当時パルプ雑誌を安く印刷する為に一枚を両面印刷して、それを裁断するから二乗のページ数になるという話を見た事があるけれど、この「Action Comics #1」もページ数が68ページで、紙質が違う表紙部分を抜くと64ページになり、まさにそれ。今のコミックスが32ページなのもこの名残り何だろうと思う。
日本語翻訳版だと各キャラクターの初登場巻を読めるのって、特にDCコミックスだとほぼないけれど、原書のデジタルデータだと結構読める。スーパーマンのこれにしろ、バットマンも75周年の特別巻「Detective Comics #27: Special Edition」をDCの公式サイトで無料で配信しているし。
ただ、アメコミで、しかもDCの最初期のキャラクターになると、日本でも良くある「一巻目はお試しで無料」とは意味合いが違うよなぁ。