美女と液体人間

2021年05月14日 金曜日

本多猪四郎監督、円谷英二特撮監督、白川由美主演の1958年の日本映画「美女と液体人間」
「変身人間シリーズ」の一作目。

大雨の夜、一人の男が道路上で衣服と持ち物を残して突然消えてしまう。
その男の所持品には麻薬があり、持ち物からギャングの三崎だと判明する。
警察は三崎と同棲していた新井千加子を尋問するが三崎の居場所は分からなかった。
警察は新井千加子を監視すると一人の男が接触して来た。
その男は大学助教授政田で、三崎は放射能により液体化してしまったのではないかと説明を始めた。
政田に取り合わない警察だったが、新井千加子の周りでは人々が衣服と持ち物を残して消え去って行く。

古いSF映画を見ようと思い Amazon プライムビデオで色々検索していたら、有名な「ガス人間第一号」の配信が終わりかけだったので、じゃあという事で「変身人間シリーズ」の一作目から見てみる事にした。

序盤は美女の周りの人々が次々と消えて行くサスペンス・ホラーから、中盤で謎の液体人間が登場してのモンスター映画になり、最終的にはモンスター・パニック映画になるという飽きさせない様な展開ではあるものの、終始話がまったりと進んで大分飽きてしまった。

序盤は警察の犯罪捜査で、映画「ゴジラ」の芹沢大助博士役でお馴染み平田昭彦演じる富永が主役かと思いきや、題名の「美女と液体人間」通りに新井千加子が主役になって話が進んだと思いきや、政田が主人公で話が進んで、結局誰にも話を絞れていない散漫な感じ。

肝心な液体人間も序盤の警察の犯罪捜査が長いので間延びして液体人間の本領発揮までが遅いし、液体状のスライム状の物体がじわじわと迫って来る所がホラー感があったのに、途中で人間状態になって登場した時は急に着ぐるみ怪獣的な安さが出て「あれっ?」となてしまった。
そもそも何故東京の狭い範囲の新井千加子周りの人間だけが襲われていたのか?の説明は無いままだし、液体人間に襲われた人は溶けて無くなってしまう事もあれば、溶けてから液体人間になってしまう事もあって、その違いは?だし、都合良く展開するだけで結局ぶん投げて不思議不思議…だったのがなぁ…。
それに地を這う液体に向けて銃を撃つ警察が物凄く頭悪く見えたし。

この映画、当時の社会批判的なSFで、ホラーとしてはおもしろい設定だとは思うけれど、常にもっちゃりした感じで集中力は続かず、結局一番興味が行ったのは今では時代劇のセットかSFかのこの当時の東京の街並みだった。

☆☆★★★
 
 
関連:電送人間
   ガス人間第一号

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