ワイルド・スピード SKY MISSION

2018年09月29日 土曜日

ジェームズ・ワン監督、ヴィン・ディーゼル製作・出演、ポール・ウォーカードウェイン・ジョンソンジェイソン・ステイサムカート・ラッセル出演の2015年のアメリカ映画「ワイルド・スピード SKY MISSION(Furious 7)」
ワイルド・スピードシリーズ7作目。

前作でドミニク・トレット達が追っていたオーウェン・ショウの兄のデッカード・ショウが弟の復讐の為にルーク・ホブス捜査官やドミニク・トレット達を襲撃。
するとドミニク・トレットの前に政府の秘密組織のリーダーが現れ、彼らが探しているラムジーというハッカーを取り戻せばラムジーが開発したシステムでデッカード・ショウの行方を追うと言う取引を持ち掛けたので、ドミニク・トレット達はラムジー奪還作戦に乗り出す。

わたしのいけない癖で、映画もドラマもそのシリーズがおもしろくないと思っているのにテレビで放送していたら続けて見てしまうという、ただの時間の無駄を何故か続けてしまっているけれど、このワイルド・スピードシリーズも一作目の時点でおもしろくないと分かったはずなのに、何故か四作目以外見てしまっている。

で、この七作目「ワイルド・スピード SKY MISSION」もおもしろくはなかった。
一時期は改造自動車で走る場面がやたらと少なく、最早何の映画なのか分からなかった所から、ちゃんと自動車で走る場面が多くなってはいるけれど、世界中を巡って、色んな所に潜入して脱出したり、敵を追いかけて見付けて殴り合いしたりと、話や展開は映画のミッション・インポッシブルシリーズと変わらず、そこで最早何の映画なのか分からないし、アクション映画映画としては話や展開は大味過ぎて既視感も一杯。

展開も何だか分からなくしているのは、話の軸は前作の敵の兄の復讐から始まって、逆にその敵を追い詰める事だったのに、序盤でまるでテレビドラマ「パーソン・オブ・インタレスト」の様な監視カメラやあらゆるデジタルデバイスに侵入し、そこから情報を引き出して特定の人物を探し出すシステムとそのハッカーの話になり、ジェイソン・ステイサムとは全然関係無い話に舵を切ってしまう。
確かにジェイソン・ステイサムの復讐話だけでは展開が乏しいと判断したのだろうけれど、それにしても主軸ではない話をずらして主軸にしてしまうと「あれっ?」とばかり感じて興味は行かない。
しかも、このハッカーを助ける為に協力したのは神出鬼没のジェイソン・ステイサムを探し出す為だったのに、ヴィン・ディーゼル達が行動を起こすと必ずジェイソン・ステイサムがひょっこり現れるので、システムを使って探す必要が全くなくて最早何しているのか分からない展開。
ジェイソン・ステイサムが現れてもヴィン・ディーゼル達はジェイソン・ステイサムを捕まえたり、戦って倒そうともせず、ジェイソン・ステイサムからは逃げ出すだけで、本来の目的が何なのかも分からない状態にしている酷い脚本。

他にもドウェイン・ジョンソンはクレジットは三番目なのに初めと終わりに少しだけ登場するだけだし、カート・ラッセルはあれだけ思わせ振りに登場し、カート・ラッセルという大御所出しておきながら見せ場は一瞬で終わって、その後がどうなったのかも一切描かない尻切れトンボの退場のさせ方だし、ハリウッド映画でやり勝ちの元格闘家をボディーガード役でアクションさせるというのがこれでもあり、わたしはUFCは知らないけれどWWEは見ているので知っているロンダ・ラウジーが登場しミシェル・ロドリゲスと殴り合いになるけれど、これも結局決着を見せないままで終わってしまい、本当に登場人物の扱いがクソ。
そう言えばこのシリーズの主役ってポール・ウォーカーの方だったんじゃないかと思ったのだけれど、ヴィン・ディーゼルが製作に入ってからはヴィン・ディーゼルが主役になってしまい、ポール・ウォーカーも最早一味の一人の脇役になってしまっているし。

それに敵のジェイソン・ステイサムも印象に残らない。
ひょっこり現れるジェイソン・ステイサムは、そこまで復讐に燃えているのに結構あっさり諦めて見逃すし、必ずヴィン・ディーゼル達の前に現れるのにどうやってヴィン・ディーゼル達の行動を把握しているのか一切描かれず、この展開だと仲間に裏切者がいるという裏があるかと思ったら何も無く、ジェイソン・ステイサムの都合良さったらない。
ジェイソン・ステイサムが印象に残らないのは、ジェイソン・ステイサムは格好つけている役が多いけれど格好つけているのに全然格好良く見えなかったり、あのわざとらしく枯らした様な格好つけた喋り方が嫌いとか、わたしが元々ジェイソン・ステイサムを嫌いというのもあるのだろうけれど。
しかし、元々ヴィン・ディーゼルがいて、そこにドウェイン・ジョンソンも出演しているのに、何で同じ様なムキムキのハゲのおっさんのジェイソン・ステイサムを加えて、ムキムキのハゲのおっさん同士の殴り合いを毎回せんといかんのかも謎。
今のアメリカのアクション映画好きって、ムキムキのハゲのおっさん好きばっかりなの?
ただ、この映画の唯一の見せ場はドウェイン・ジョンソンがジェイソン・ステイサムにロックボトムを決める場面。

この映画、何でこんなにシリーズが作られ、しかもヒットしているのかがよく分からない。
最初の二作とそれ以降は別物だし、その後の単なるアクション映画も一作見れば十分だし、自動車が壊れまくっても何がおもしろいのかよく分からないし、あれだけ町を破壊して、描かれてはいないけれど関係無い市民を巻き添えに無数の死者を出しているはずなのに、最終的には「一番大事なのは家族」。でも、自分達以外の家族はどうなろうと知ったこっちゃない…という行動を見せられて、これが正義の主人公だ!と見せられても全く響かないし、何を楽しめば良いのかもよく分からなかった。

☆★★★★
 
 
関連:ワイルド・スピード
   ワイルド・スピードX2
   ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT
   ワイルド・スピード MEGA MAX
   ワイルド・スピード EURO MISSION

« | »

Trackback URL

Leave a Reply