エージェント・オブ・シールド
2015年10月19日 月曜日2015年の2015年7月から9月の三ヶ月の間で新たにDlifeで始まったので見始めたドラマの一つ「エージェント・オブ・シールド(Marvel’s Agents of S.H.I.E.L.D.)」
2013年からABCで始まったテレビドラマ。
マーベル・スタジオズが製作する映画シリーズのマーベル・シネマティック・ユニバースと世界を共有しており、他の映画の後日譚や新たな映画に向けての伏線、関係者等も登場して来る。
映画「アベンジャーズ」で死亡したと思われていたS.H.I.E.L.D.のエージェントであるフィル・コールソンが実は生きており、世界に知られる様になった特殊な能力を持ったヒーローや神々、宇宙からの侵略者等に関連する人々や事物を調査し、世間に事実を公表しない為に新たにメンバーを集めチームを組織し、対処する。
わたしはアメコミがそこそこは好きなのと、1990年代のアメコミ翻訳ブーム世代なのでDCコミックスよりもマーベル・コミックスの方ではあるけれど、コミックスの中では好きなX-MENシリーズの映画シリーズが「X-MEN: ファイナル ディシジョン」や「ウルヴァリン: X-MEN ZERO」で急につまらなくなってしまってそれ以降全然見ていないし、マーベル・シネマティック・ユニバースでは「アイアンマン」を見たはずだけれど全然内容を憶えておらず、それ以降も全然見ていない程度で、マーベル・シネマティック・ユニバースには何でか興味が湧かないまま。
常々、大長編になって登場人物も多過ぎるアメコミのヒーローモノは絶対連続テレビドラマの方が良いと思ってはいたけれど、このドラマ以前に見たDCコミックスのグリーン・アローを基にした連続テレビドラマ「ARROW/アロー」が全然おもしろくなく、マーベル・シネマティック・ユニバースをよく知らないという事もあって、不安要素が多いまま見た「エージェント・オブ・シールド」。…だけれど、結構おもしろいじゃん。
特殊な能力を持たない体術や武器の扱いや技術や情報分析を訓練した人々が活躍するチームモノで、普通なスパイモノや特殊部隊モノとして見れ、映画では特殊なヒーローを描き、ドラマでは普通な人々の活躍を描くという分け方でもちゃんと特色が出ていて良い。
シーズンを引っ張る様な謎を常に小出しして引っ張って行くという展開が「Lost」で懲り懲りになってしまったけれど、このドラマでは「タヒチ」や「ムカデ計画」等の引っ張りは出て来るものの、それはあくまで匂わす程度でガンガンに引っ張って中々謎が明かされないという訳でもなく、ちゃんと徐々に全容が見えて行くので引っ張りも気にせず、すんなり見られる。
毎回の展開も、特殊な能力者や物体の保護や、ムカデ計画進める謎の敵との対決等、ヒーローモノの時もあれば、潜入スパイモノの展開だったり、お涙頂戴の安っぽい友情モノもありはするけれど、手を変え品を変えで結構多彩になっていて飽きも来ない。
それにアメリカのテレビ局の三大ネットワークの大手のABCだからか結構制作費はかかっている様で、毎回派手なアクションや銃撃場面や爆発場面等、一話一話でアクション映画とまでは行かないけれど力は入っているし、CGやセット等も結構お金はかかっている。
ただ、登場人物達は結構微妙。
フィル・コールソンは映画シリーズを見ていないので、見た目はハゲたおじさんで弱々しい感じがするけれど、結構強い割に現場に出ていなかったのか銃器の扱いに慣れていなかったり、渋めのリーダかと思いきや変な笑いを挟んで来るし、どうにもどういう人物なのかが掴めずフワフワしている。常に背広で行動したり、古いスパイの道具を集めたり、古い自動車に秘密兵器を搭載したり空を飛べるようにしたりと、どうもジェームス・ボンドになりたい中年諜報機関の職員っぽい。
若手のメンバー達がお喋り好きばかりが集まり、見ていて結構うっとおしい。特にラボにいる事が多いレオ・フィッツとジェマ・シモンズはコメディリリーフではあるんだろうけれど、この二人のお喋り時間は結構苦行。見ていてもつまらない喋りなので「はい、はい…。」と聞く気が失せる。
加えてこの二人の吹き替えの声優が下手で、見続けていてもそこでも結構辛い。特にジェマ・シモンズは元々役柄的にうっとおしい感じはあるんだけれど、それに加えてジェマ・シモンズを演じている宮下ともみと言う人の吹き替えだと更にイラッとして来るし、ジェマ・シモンズを演じるエリザベス・ヘンストリッジの潰れたお豆みたいな顔にこの声だと更にイラッと来る。特に6話「宙に浮く死体」のジェマ・シモンズが死ぬかもしれないという展開では、「おう!死ね!死ね!死んでレギュラーから降りろよ!」と結構本気で思いながら見てしまい、決定的に駄目だ…。
それに「若い天才技術者」って見る気が失せる設定。別にコミックスからのキャラクターでもないドラマ独自の人物なのに、この説得力の無い「若き天才」なんて設定本当に止めて欲しい。ある程度経験からの知識のあるおっさん、おばさんなら何でも作って、臨機応変に出来るのは分かるけれど、20代中盤の若者が超一流ってやり過ぎ感しかない。
ドラマの狂言回し的立場である新参者のスカイは、政治的な意図からハッキングしあらゆる情報を盗み出す天才ハッカーで、自分のワゴン車で暮らす反政府的なハッカーなのに、ばっちり化粧し髪の毛クルクル巻いている若い女性って配役の嘘臭さったらない。レオ・フィッツにしろ、ジェマ・シモンズしろ、これって若者層を取り込む為の配役なんだろうけれど、それにしても如何にもテレビドラマ的で全然好きになれない。世界を救う為に専門家を集めているのだから、皆30歳以上のおっさん、おじいさんにしないと。と言うか、そういう配役が好きなんだけれどなぁ。思い浮かぶのは「CSI」のレギュラー的な感じ。専門家が専門的で危険な仕事を遂行するなら、それだけ配役にも説得力が必要なんじゃないのかしらん。そんなおっさんばかりだと画的に地味になるかもしれないけれど、このドラマの若者班の役者は皆地味だし。まだレオ・フィッツ演じるイアン・デ・カーステッカーの方がギークっぽい感じがするんだけれど。
このスカイも、S.H.I.E.L.D.に属したいのに規則も守れず、自分の欲望爆発して他人を巻き込む事が時々あり、その部分は非常にうっとおしい。これも若者向けの展開ではあるな。
ただ、始めはうっとしい感じもあったスカイは見て行く内に可愛くなり始めた。
実動部隊の若手グラント・ウォードは地味。役柄的には目立つのに、演じているブレット・ダルトンの顔面が地味なのか、何だか覇気が無い感じで、見ていてもいまいち盛り上がりに欠ける人物。
そんな中で抜群に一人輝いているのがメリンダ・メイを演じるミン・ナ・ウェン。静かに自分の役目を熟して行きつつも、ちゃんと誰よりも目立つアクション場面を任されていて、もうミン・ナ姉さんカッコ良過ぎ。この時50歳だぜ。フィル・コールソン役のクラーク・グレッグよりも1歳下だけだとは思えない。もう他の登場人物が地味だったり、嫌いになっていても、このミン・ナ姉さんのエロさとカッコ良さだけでキャーキャー言いながら見れてしまう。もう「他のメンバーの活躍はどうでもいいから、ミン・ナ姉さんを出せ!」の状態まで行きそう。
13話の「謎の荷物」では、メリンダ・メイが敵に捕まり、殴られ、縄で吊るされて、水をぶっかけられるなんて、もう製作陣の趣味爆発してないか?これがこれまでの中では最高の場面であり、見せ場。
ただ、このミン・ナ姉さんの吹き替えと言えば、「ER」のジンメイ・チェン役の時のむたあきこだと思ったら、このドラマでは沢海陽子。常に冷静で口数少なくも的確に突っ込み、やたら強いってセブン・オブ・ナインじゃん。見続けていても終始違和感を感じて慣れない。
それと、フィル・コールソン役の村治学は演じているクラーク・グレッグと何か違う感じ。「CSI」のグレッグ・サンダースも村治学だから、全然違う声でびっくり。でも、グレッグ・サンダースの時はぴったりだと思ったのに、このフィル・コールソンの吹き替えだと下手に聞こえるのは何でだ?
流石にマーベル・シネマティック・ユニバースのドラマだけあって、クレジットには当然「Based on The Marvel Comics by Stan Lee Jack Kirby」と入っているけれど、Executive producerでジョー・カザーダやジェフ・ローブが入っている。二人共エディターやライターだから分かるけれど、でも脚本は書いていないようなので、結局の所Executive producerで何してるんだろ?
このドラマ、「非常に製作費のかかったマーベル・シネマティック・ユニバースの映画に対して、テレビドラマなので映画に比べれば派手さは無いだろう。」と思っていたので、テレビドラマとしてはそこそこ楽しめている。下手に超能力合戦にはしていないけれど、あっさり超科学技術で解決してしまったりするのはどうなの?と思ってしまったり、若者班がうっとおしいけれど、それでもメリンダ・メイが抜群に良いので、ある意味ミン・ナ姉さん目当てでも全然見れてしまっている。
ただ、マーベル・シネマティック・ユニバースの映画見ておけば、更に楽しく見れるんだろうなぁとは思う。
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