バーン・ノーティス: サム・アックス最後のミッション

2014年04月16日 水曜日

USAネットワークで放送された連続テレビドラマ「バーン・ノーティス 元スパイの逆襲」のスピンオフ・テレビ映画「バーン・ノーティス: サム・アックス最後のミッション(Burn Notice: The Fall of Sam Axe)」。
放送された時期的にはシーズン4が終わり、シーズン5が始まる前。分かっているのは、Dlifeではちょうど「バーン・ノーティス」本編のシーズン4が終わり、その後直ぐこのテレビ映画を放送している。
監督はマイケル・ウェスティン役のジェフリー・ドノヴァン

海軍での尋問を受けるサム・アックス。彼はコロンビアで地元軍に協力するはずが、テロリストに協力した事を問い詰められていた。何故彼がテロリストに協力し、何故海軍特殊部隊を辞めたかのきっかけとなったコロンビアでの特殊任務を描く。

話の筋的には結構真面目なB級アクション映画っぽいけれど、主人公がサム・アックスなので終始お喋りを続け、非常にほんわかし、クスッと笑えるという、内容的にも本当「バーン・ノーティス」の外伝。銃も撃つし、爆発もさせるけれど、基本は陽動と時間稼ぎで、武器も周りにある物で作ってしまうという「冒険野郎マクガイバー」みたいな工作を見せる「バーン・ノーティス」らしさもしっかりとある。そして、最後の追い詰められてどうしようもない状況に見せかけて、ちゃんと情報作戦からの交渉で乗り切るという「バーン・ノーティス」お得意の気持ち良いまとめもあって、いつものマイアミとは違う山岳地帯での話でも、やっぱり「バーン・ノーティス」らしさが満載で楽しいし、終わると爽快。
「バーン・ノーティス」本編ではマイケル・ウェスティンの一人喋りでキチンと説明するけれど、今作ではサム・アックスが上官に全てを説明すると形で同じ一人喋りによる説明もある。それにサム・アックスはやっぱりサム・アックスで、ドラマではやたらと女ったらしのモテ男とは言っているけれど、太めのおじさんが何でモテるのかはいまいち描かれていないが、今作ではそのモテる要素がちゃんと描かれ、それが上手い事盛り上げに買っているのも、ちゃんと人物を活かせる連続ドラマのスピンオフならでは。初っ端から上官の奥さんと浮気して飛ばされるという、如何にもサム・アックスな所から始まるし。それにドラマではお馴染み、サム・アックスの偽名が何でメジャーリーグの投手の「チャック・フィンリー」なのかも解明されるし。
今回のサム・アックスは、「バーン・ノーティス」の方では無精髭面だったけれど、「バーン・ノーティス」以前の話で今よりも若い時期の話なので、無精髭は綺麗に剃っていて確かに少し若く見える様になっている。マイケル・ウェスティンもほんの一場面だけ登場しているけれど、マイケル・ウェスティンの方が髭面になっていて、何時もの「バーン・ノーティス」と違っておもしろい相互の入れ替え。

その今回は主役のブルース・キャンベルは、「バーン・ノーティス」でも思ったけれど、良い役に見つけ、はまったなぁ…と。ブルース・キャンベルって、映画「死霊のはらわた」のアッシュの印象が強過ぎ、その後もB級ホラーやアクションばかり出ていた感があるけれど、「バーン・ノーティス」でスケベでお喋りな小太り中年がはまり、これからも違う方向性の個性派俳優ではじけて行きそう。今のブルース・キャンベルのコメディだけのコメディ映画とか、全然笑い無しの真面目な映画とか見てみたいよなぁ。
「死霊のはらわた」で言えば、今作の中でサム・アックスがチェーンソーを動かし、ぶん投げる場面まである。オマケのくすぐり。

これ、確かにおもしろいし、爽快感もあるけれど、あくまで「バーン・ノーティス」のスピンオフのテレビ映画。普通の映画として見ると安っぽいし、今のおっさんブルース・キャンベルが主役かよ!となるかもしれないけれど、「バーン・ノーティス」を見続けて、毎回の「バーン・ノーティス」を見る感覚でこれを見ると、設定的にも資金的にも限定された中でおもしろいモノ作るじゃん!となる中々の出来。中盤が少しダレる部分はあるけれど、サム・アックス好き、ブルース・キャンベル好きなら、彼が終始可笑しく喋りまくり、活躍するので楽しい。

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