Wrestle Mania XXX

2014年05月06日 火曜日

わたしは、WWEは「This Week in WWE」が基準で、何だかんだしている間にアメリカでの開催から一ヶ月遅れになってしまったけれど、やっと「レッスルマニア30」を見た。

番組開始はホストのハルク・ホーガンから。話している途中で開催場所であるニューオーリンズのメルセデス・ベンツ・スーパードームと、それまで話していた「レッスルマニアIII」の開催場所ポンティアック・シルバードームを言い間違ってしまい、観客からは「スーパードーム!」というチャントが起こって「I’m sorry.」と言って訂正するホーガンに笑ってしまった。しかし、これが後で生きて来る。そしてハルク・ホーガンが話をしている途中で、行き成りのガラスの割れる音。もちろんストーン・コールド・スティーブ・オースティンの入場曲「I Won’t Do What You Tell Me」でSCSAがやって来て「おおっ!」と驚き喜ぶ。更にSCSAの喋っている最中に「If you smell ~」とかかり、ザ・ロックの登場に更に驚きと興奮。これまでのレッスルメイニアで伝説を作って来たWWEの顔である三人の勢揃いに身震いする程興奮。やっぱり三人共存在感が違うし、喋りが上手いし、ちゃんと三人がホーガンのシルバードームの間違いいじりのアドリブも入れるし、観客を盛り上げる術を知っているし、それぞれのチャントも大爆発するしで、初っ端から気持ち良過ぎ。ザ・ロックと握手し、優しい微笑みで眺めているSCSAの良い事ったら。
ただ、盛り上がりや興奮はここが頂点で、後は徐々に下がって行く。
 
 
1.トリプルH vs ダニエル・ブライアン

去年のケインとダニエル・ブライアンのタッグチームから人気はあったけれど、ダニエル・ブライアンが独り立ちしてから人気が爆発し、「Yes!Yes!」で観客巻き込んでの人気となり、更にトップのジョン・シナの手術の為の長期離脱によってWWEの顔に持って来られた事によって凄まじい人気に。その相手役として会社の重役であるHHHとステファニー・マクマホン夫妻となり、昔のSCSAの路線に乗っかって、WWEのトップは完全にダニエル・ブライアンに。HHHが直接相手せずにランディー・オートンを介しての抗争で非常におもしろい展開で、ここ数年ではCMパンクが抜け出たマイクボム以来の興奮があった。しかし、やっぱり最近のWWEの悪い所が出て、この抗争が行き成り中断してワイアット・ファミリーとの抗争に。これが微妙で、ダニエル・ブライアンと運営側のおもしろい抗争を中断してまでワイアット・ファミリーを押す意味が分かんない。
なので、この試合はレッスルメイニア前にヌルヌルっと決まって行った感じで、途中の抗争の中断が無ければもっと盛り上がっていたのに…と思うばかり。

試合は技巧派のダニエル・ブライアンとベテランのHHHという事で、腕の取り合いからグラウンドでのネチネチした中々の試合ではあるけれど、やっぱりフル出場出来ていないHHHの年齢的なモノもあるのか、どうにも間延びする感じはあった。勝った方がメイン戦に出れるので、結果はダニエル・ブライアンの勝ちで「そりゃ、そうなるだろうなぁ」。もう一試合あるからな試合なのか。
一番張り切っていて目立っていたのはステファニー・マクマホン。何故か胸元開いてユルユルの服に、パッツリした短パンと、ディーヴァ達に手本を見せるかの様なエロスを押し出した出で立ちでセコンドを務めていた。うん、確かにステファニー・マクマホンは可愛い。更にヴィンス譲りの表情の豊かさで、驚きの表情は流石に笑ってしまう。これからもHHHとの極悪夫妻を更に進めて引っ張って欲しいな。この悪い上層部がおもしろくないと全体が盛り上がって行かないし。
 
 
2.ケインニュー・エイジ・アウトロウズ vs ザ・シールド

今年、ダニエル・ブライアンに次いで一気にスターに駆け上がって来たのがザ・シールド。特にローマン・レインズ
ザ・シールドって、NWOの何番煎じかとも思えるギミックで、始めは無法者だったのが何時の間にか会社の犬になってしまい面白味が欠けて来ていたのに、ザ・シールドの内紛からそれぞれの個性が一気に出始め、「ロイヤル・ランブル」の時なんかローマン・レインズの人気が爆発していて凄かった。今までザ・シールドでも無口で木偶の坊感が強かったローマン・レインズがここまで化けるとは思ってもみなかった。セス・ローリンズのバンプが良い感じで、もっと出ても良いのにと思っていたら、今では二人の仲裁役になってるし。ディーン・アンブローズのあのクネクネ感は中邑真輔

一方のケインはやっぱり便利屋。ダニエル・ブライアンと別れてワイアット・ファミリーの引き立て役やったり、マスクを取って試合の出来る要員として運営側に付くし。それにしても、うぶちゃんな頭とスーツのズボンで試合するケインは物凄くカッコ悪い。何でマスクに戻したのか、今ではもう訳分からず。
ニュー・エイジ・アウトロウズは活躍していた当時を知らないので何とも…だけれど、復帰の始めは何からしらを期待していたのに特に目立った動きも無いままで、レッスルメイニアへ向けての復帰要因感が半端無かった。ニュー・エイジ・アウトロウズなのにオールド・エイジ・会社の犬だし。それまで試合的におもしろかったゴールダストコーディ・ローズ兄弟やウソーズ等のタッグ戦線が、ニュー・エイジ・アウトロウズの復帰で一気にしぼんでしまった感じ。

試合は、これまた去年のレッスルマニアでのザ・シールドの試合の様に、レギュラー放送では結構扱いが良いザ・シールドなのに、レッスルメイニアになると扱いが雑。ザ・シールドの一方的な技披露会で、もっとプロレスやらせたれよ!と。こういうどうでもいい試合させるのはザ・シールドがまだまだと見られているって事なのか?
 
 
3.31人バトルロイヤル形式アンドレ杯

まさに在庫一掃セール。
最近のWWEは多くの選手を子飼いにしているけれど、こんな出演の仕方でしか選手を捌けない状態。31人のバトルロイヤルなのであちこちでグダグダしていて、そんなモン。
そして、バトルロイヤルと来れば、やっぱりのコフィ・キングストン。この人、バトルロイヤルでトップロープから外出ても、如何にして戻るか要員だけの為の人みたいになっている。
それにしても、何でセザーロ押しなんだろうか?元々ぬらりひょん顔がどうにも受け付けないのはあるけれど、セザーロのギミックの迷走ぶりがどうにも嫌。初めはスイス出身なので反アメリカ。その後US王座取ったら自分こそがアメリカを体現していると言い、ベルトを失うと微妙な位置に。そして、ジャック・スワガーゼブ・コルターに付いて、何故かアメリカの痛い保守に仲間入り。もう方向性がグッダグダ。そこまでして押すのは一体何なんだ、HHH。
そう言えば、始めに失格になったのがヨシ・タツだったな。ヨシ・タツってどれ位レギュラー放送に出ているんだろうか?と思う位見かけない。
 
 
4.ブレイ・ワイアット vs ジョン・シナ

微妙過ぎる組み合わせ。
ワイアット・ファミリーって、やっている事は乱入してボコボコにするというザ・シールドと同じ事だし、何か意味有り気な事言っているけれど特に何にも繋がって来ないのは、以前のクリス・ジェリコが復帰した時の「The End Of The World」と言っているけれど何だったのか不明のままフェードアウトしたのと似ているし、不気味さや暗闇になって突然現れるなんてジ・アンダーテイカーと似ているしで、物凄く微妙な被りの寄せ集め感があるし、見た目が小汚いというものあって全然面白味を感じられない。
それにダニエル・ブライアンの抗争をぶった切ってまでワイアット・ファミリーと抗争させたり、「ロイヤル・ランブル」でジョン・シナの王座奪取を妨害したワイアット・ファミリーだったのに、その事は無しで次のPPV「エリミネーション・チェンバー」ではワイアット・ファミリー対シールドになったりと、その時人気がある相手と速攻抗争させる押し売り感も好きじゃない。

ジョン・シナは休場からの復帰を完全に間違ってしまった。シナが「休場する」と言った途端に大歓声で「Yes!Yes!」とチャントが起こってしまったのには笑ってしまったけれど、それ以降のWWE自体がダニエル・ブライアンの抗争で非常におもしろく進んでいたのに、ジョン・シナの意外と早い復帰でそのダニエル・ブライアンの抗争が中断され、その為か「TLC」でジョン・シナはランディ・オートンとの王座統一戦となり、レッスルメイニアではブレイ・ワイアットとの組み合わせとなってしまっている。もう少し遅く復帰すればダニエル・ブライアンの抗争は続けてレッスルメイニアまで持って来ただろうし、折角のWWEのトップ対決であるジョン・シナ対ランディ・オートンもレッスルメイニアで出来ただろうしで、ジョン・シナが復帰を早めた事は良くない事ばかりだった様に思えてしまう。

組み合わせが微妙だから、試合も微妙。ブレイ・ワイアットの試合って、何時見ても印象に残らない。試合が近年のWWE的な間延びするもっちゃりした試合もあるけれど、これって決め手がない感じ。あれだけ髪の毛伸びていて、髭ももっさり生えているのに、試合中の打ち合わせの口が動いているのが丸分かりってブレイ・ワイアット下手じゃない?
やっぱりジョン・シナのAAの攻防で見せて、AAで決めるのって見飽きたな。今回もありがちな展開で至って普通の試合だったし。
 
 
WWE ホール・オブ・フェイム 

殿堂者の登場。
ジェイク・ロバーツはあんまり変わっていないけれど、それよりも娘との関係はどうなったのが気になる…。
ポール・ベアラーは息子達が代わりに登場していたけれど、父親とそっくりでちょっと笑ってしまった。
リタの腕の刺青は結構引く。
ミスター・Tって、「特攻野郎Aチーム」のコングの印象が強過ぎるので、おじいさんになっていてびっくり。
レイザー・ラモンは、以前TNA後のアルコールによってボロボロになって一人で真面に歩けなくなって、二人に担がれる様に登場していた姿を見てしまったので、今回の姿を見てホッと安心。ちゃんとスコット・ホールじゃん。
アルティメット・ウォリアーは、素顔で歳取っているので全然アルティメット・ウォリアーの雰囲気がない。ただ、彼の死を知ってから見たので色々と怖かった。この次の日のRAWに登場し、その次の日に心臓発作で亡くなったと思うと、この時やたら胸を抑えていたのは心の部分でのHaertだと思うけれど何か象徴的過ぎる。
 
 
5.ブロック・レズナー vs ジ・アンダーテイカー

一番の問題試合。
ブロック・レズナーって何でこんなに重宝されているのか、さっぱり分からない。確かに格闘家としての実績はあるけれど、別にプロレスが上手い訳でもないし、観客も大して盛り上がらないし、PPVに時々出て試合するだけだから長期のストーリーが組めないのに物凄い好待遇が謎。

ジ・アンダーテイカーはここ数年はレッスルメイニアだけで試合をする人状態だったけれど、その批判をかわす為ではないだろうけれど昨年のレッスルメイニア後暫くしてからザ・シールドと試合をしていたけれど、やっぱりレッスルメイニアまで登場しないので、どうしても連勝記録に気が行ってしまうのに…だ。

ジ・アンダーテイカーが登場した時から妙に痩せていて、皮膚もダルッとした感じでおじいさんの様に見えてしまった所から「あれっ?」感はあり、試合もどちらかが一方的に殴る蹴るで構成され、どちらも早い段階でばててしまい終始グダグダ。始めからブロック・レズナーだから試合内容的には期待出来たモンじゃないけれど、それにしても間が開いた攻撃ばかりで盛り上がり無し。
しかも、このF5返すだろうな…と思ったら、余りにあっさりし過ぎたジ・アンダーテイカーの負け。観客も「ブロック・レズナーだから連勝記録の肥やしだよなぁ…」と思っていたらしく、本気でびっくりしていて終始ザワザワしているだけで、そこでは笑ったけれど、何この連勝の終わり。これからジ・アンダーテイカーを語る時に必ず出て来る連勝を止めた相手がブロック・レズナーって微妙過ぎる。ブロック・レズナーはそれこそパートタイマーで、これ以降の話が繋がって行く訳でもないのだから、微妙な組み合わせだったジョン・シナと戦って更なる箔付けと話の展開をすればいいのに。ブロック・レズナーを希望したのはジ・アンダーテイカーらしく、これじゃあCMパンクがWWE出て行くのも分かるよなぁ…。
試合終わった後、観客がジ・アンダーテイカーに拍手…じゃなくて、「WWE SACKS!」だし、ジ・アンダーテイカーにブーイングじゃない?本当にジ・アンダーテイカーはもっと早く負けておくべきだったと思う。
 
 
6.ディーヴァズ王座戦

まあ、最近のWWEのディーヴァの扱いは、TVスターになりたい人がお色気出してプロレスごっこしているだけの感が強いけれど、それを象徴する様な試合。結局はおケツばっかり見てしまうだけ。女性でプロレスがしたければTNA行け…って事か。
 
 
7.ランディ・オートン vs バティスタ vs ダニエル・ブライアン

ランディ・オートンは、これまでの噛ませ犬感が凄かった。「WWEの顔だ!」と言われる度にダニエル・ブライアンの人気が高まり、世界ヘビー級とWWE王座が統一されてトップなはずなのにストーリーの振りの感じが強く、不憫っちゃあ不憫。それまでの抗争がパッとしないというのもあったんだろうなぁ。

バティスタはダニエル・ブライアンと逆で観客に嫌われてしまって、仕方なくのヒール転向がおもしろかった。復帰した時はベビーで大物扱いだったのに、「ロイヤル・ランブル」で安易に勝たせてしまったので「ロイヤル・ランブル」の試合中からブーイングが凄く、それ以降出て来ても大ブーイングばかり。しょうがないのでヒールになってもレッスルメイニアでのメイン戦は変わらないのでやっぱり嫌われ続け、そこでは目立つけれど試合ではいまいち。

この二人ではまずいと思ったのか、そこにダニエル・ブライアンを加えての王座戦。これでダニエル・ブライアンではなく、変にHHHだったら相当ブーイングだったろうなぁ…と思ったりも。
試合自体は、トリプルスレットなので三人が入れ替わり立ち代わりの目まぐるしい攻防になるかと思いきや、基本は二人ずつで、それも結構もっちゃりした攻防。観客もダニエル・ブライアンが動かないと盛り上がらない。途中のランディ・オートンとバティスタが協力した所ら辺からおもしろくなって来る。ダニエル・ブライアンの担架はきっちりとしたストーリーだけれど、それよりもスペイン語実況席でRKO決めたランディ・オートンが、背中から落ちた時に下にモニターが落ちていて、その上に直に落ちて相当痛そうなのが気になった。本気で痛がっていた感じで「ダイジョブ?」と思ったけれど、それ以降は元に戻っていた感じだったので安心。
試合の結末は結局は非常に王道なダニエル・ブライアンだったけれど、そこまでもう少しプロレスで見せても良かったのにとは思った。しかし、ザ・ミズの弟子で出て来た時は「地味過ぎる!」と思っていたダニエル・ブライアンが、ここまで跳ねるとは思ってもみなかった。今のWWEでインディー団体やROHから来て、レッスルメイニア30回目の記念大会のメイン戦でベルトを取る、取らせたって凄いな。もちろん本人の力もあるけれど、そうさせた観客の力も大きい。
だけれど、ダニエル・ブライアンの肩・腕が悪いという念入りなギミック、そう言えば最終的に「あれっ?」だな。前の試合からあれだけ振っていたし、入場の時はしっかり片手だけの「Yes!Yes!」だったのに、選手紹介の時に興奮でなのか忘れたようでつい両手で「Yes!Yes!」をやってしまい、こっそり片手下ろすダニエル・ブライアン。ダニエル・ブライアンも揚がるんだなぁ…と笑ってしまった。

だけれど、この大会全体を見回すと、盛り上がったのは始めと最後で終始微妙な組み合わせが多く、ここにCMパンクがいないのを見るとどうにも微妙さは残ったまま。30回の記念大会なんだから、ちゃんと今のレギュラー陣でやれよ…とは思う。急な復帰やパートタイマーを重要視する今のWWEはどうなのさ?それまでのトップ4、ジョン・シナ、ランディ・オートン、CMパンク、ダニエル・ブライアンで数ヶ月間のストーリーを組んでレッスルメイニアまで持って行けば相当おもしろかったんじゃないかな…?やっぱり、積み上げて行ってのレッスルメイニアが見たいのに。

今回の大会はどうにも集中力が持たず、一試合見てはこの感想を書きながら、時々違う事しながら見ていたら、放送時間は約四時間なのに見終わったのは八時間後だった…。自分でも何をしているのか、訳が分かんない…。

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