WWE ロイヤル・ランブル 2014

2014年02月22日 土曜日

WWEのペイ・パー・ビュー(PPV)って、「レッスル・マニア」と「ロイヤル・ランブル」位しか見る気がせず、基本的に「This Week in WWE」に準拠しているので、今更「ロイヤル・ランブル 2014」を見た。
やっぱり、「PG Era」なんて揶揄される今のWWE的な微妙な所や、「何?」と思ってしまう所も多々。

第一試合
ブレイ・ワイアット vs ダニエル・ブライアンは、ダニエル・ブライアンの問題じゃあなく、WWE側の問題が大きいと感じる試合。そもそも、ジョン・シナが欠場の為、ランディー・オートンをWWEの顔として持てはやすHHH夫妻対ダニエル・ブライアンが物凄く受けていたのに、その抗争を行き成り終わらせて、ダニエル・ブライアンはワイアット・ファミリーとの抗争にしたのが微妙。ダニエル・ブライアンには「YES!YES!」の大歓声は相変わらずだけれど、ワイアット・ファミリーがやっている事はシールドの二番煎じみたいな事と、意味有り気に不気味な事を言うけれど「だから何?」しかない集団なので、WWE側がもっと売り出したいのは分かるけれど、折角WWEを背負って立つ存在になって来ているダニエル・ブライアンの勢いを削ぐ事もないんじゃなかろうか?とばかり思ってしまうこの抗争。ジョン・シナが予想よりも早く復帰してしまった為のトバッチリの感がある。
で、試合の方は、ダニエル・ブライアンは蹴って殴って、飛んで当たって、関節技もかけての何時も通りのしっかりした試合運びだけれど、如何せんブレイ・ワイアットが何だか特徴の無いプロレスするので締まらないまま。それなりにはおもしろかったけれど、結局ダニエル・ブライアンが負けて、このストーリーもう暫く続きそうで、何だかなぁ…。

第二試合
ブロック・レスナー vs ビッグ・ショーの試合は非常にしょっぱい。年間数試合契約のブロック・レスナーでは長いストーリーを作れず、何だか良く分からないビッグ・ショーとの対戦だけれど、始めはビッグ・ショーをブロック・レスナーが椅子でボコボコにして、そこからビッグ・ショーの反撃でおもしろくなりそうな雰囲気はあったのに、あっさりビッグ・ショーが負けて、その後ブロック・レスナーが椅子でボコボコにし続けるだけというおもしろくも無い事を長々と見せる。ブロック・レスナーに対して観客も盛り上がりがなかったし、何だかブロック・レスナーもWWEも契約の為だけに試合やっている様な感じ。

第三試合
ランディ・オートン vs ジョン・シナのWWE世界ヘビー級王座戦は後半はそれなりにおもしろかったけれど、前半が微妙。始まりはグラウンド勝負でおもしろくなりそうな感じだったのに、そこから一気に失速。他の選手もそうなんだけれど、全体的に一つ一つの攻撃の間がたっぷりと持たせ過ぎで、非常にゆったり展開するのがどうにも間延びする。ここまでこのWWEの顔の二人で大きくストーリーを展開させて来ているのに、中盤辺りには観客から「Boring~!Boring~!」と退屈チャントが盛り上がっている始末だし。終盤はお互いに相手の必殺技を繰り出し合い盛り上がったけれど、結局はワイアット・ファミリーが絡んで来て、そこへの抗争の振りに。WWEのワイアット・ファミリー押しの強さは凄いけれど…という感想に落ち着く。
本来なら今のWWEの顔であるジョン・シナとランディ・オートンで「レッスル・マニア」のメイン戦をすべきじゃないの?と思うけれど、確かにこの試合内容じゃあ会社側としては任せられないと思っているのか。リング・アナウンサーの選手紹介の時、ジョン・シナは声援とブーイングが半々位なのは毎度だけれど、本来ならヒールであるランディ・オートンも声援とブーイングが半々位だったので、はっきりとした対立がまだ出せておらず、観客の心もしっかりと掴めていないのか。

第四試合
大一番のロイヤル・ランブル・マッチだけれど、今年も何だか微妙と言うか、変な感じだった。CMパンクセス・ローリンズの二人から始まったけれど、見終わると結局はシールドの為のロイヤル・ランブルだった気がする。クネクネ感から中邑真輔っぽさを感じてしまうディーン・アンブローズローマン・レインズの対立が最後の見せ場でもあり、終始シールドが関わる様な場面が多かった。そいて何より、シールド初期では三人の中では目立たず、プロレスも一番上手くなかったローマン・レインズがここまで跳ねるとは思ってもみなかった。わたしはセス・ローリンズのバンプが良い感じで「跳ねたら良いな…」と思っていたのに、何時の間にかディーン・アンブローズとローマン・レインズの言い合いの仲裁に入り、このロイヤル・ランブル・マッチでも最初から仕事をし続けて、アントニオ・セザーロのジャイアント・スイングで回され続けて、ストーリー的には目立つ感じでもないまま終了という、便利屋的な位置に来てしまっているのがちょっと残念。今後の抗争もディーン・アンブローズとローマン・レインズで、その間にセス・ローリンズが入るという様な感じになりそうだし。
しかしシールドって、もっと早く解散するかと思っていたけれど、流れが良くても直ぐギミック変えてしまう今のWWEでは物凄く長く続いている印象。まあ、初めは乱入する無法者だったのが、何時の間にか会社の犬になっていたのはちょっとおもしろいのだけれど。

さて、変だと思ったのは観客の反応。シェイマスの復帰や、ケビン・ナッシュの登場や、解説のジョン・ブラッドショー・レイフィールドの登場には盛り上がるのだけど、ケビン・ナッシュが出て来て「やっぱりビッグ・セクシーだなぁ」とも思いはしたけれど、特に活躍も無く外に落とされ、JBLなんか期待を持たせて何もしないまま終わってしまうという様な辺りから観客の反応が変わり、「ダニエル・ブライアン!ダニエル・ブライアン!」のチャントが起こり始め、最後の30番目のレイ・ミステリオが登場すると、常に彼は人気があり大声援なのにブーイング。レイ・ミステリオが場外に出されると喜びの歓声。あれだけ歓声を送っていたシェイマスにもブーイング。歓声と共に復帰し、ベビーフェイスだったはずのバティスタには常にブーイング。最終的に残ったベビーのはずのシェイマスとバティスタは何かする度にブーイングか「No!No!」。ヒールのはずのローマン・レインズには声援と「YES!YES!」。勝ち残り、優勝のバティスタには、試合後もブーイングをし続けているという有様。確かにローマン・レインズが非常に伸びていて、ドンドンスター性が出て来ているのも分かるし、突然復帰したバティスタに「レッスル・マニア」の王座戦をさせるWWEに対する文句も分かるけれど、ここまで観客の求めているモノとWWEの意図がかけ離れているのもおもしろい。WWE自体は売上や事業自体は非常に好調で、それも女性や子供等のお金を使ってくれる層向けに売り出して来たという事が上手く行っているけれど、口は出すけれどお金を使わない程々に濃いファン向けをある意味軽視して来た事によってこんな感じになってしまったんじゃあないかな?と思わせてしまう様な観客の反応。

あと、興味が行った所。
CMパンクって元々スタミナが無い、もしくはスタミナが無いギミック?で、しかも一番手だから疲れてはいるだろうけれど、中盤辺りではエプロンでずっとうずくまって寝ているのはどうなのさ?みんなほったらかしだったけれど、ローマン・レインズが近づいて何か文句を言っているのは「偉いなぁ」と思ってしまった。
ケインって、マスク被っていたり、カラーコンタクトしているからおっかなそうだけれど、最近の首脳部でのスーツ姿や普通の素顔だと物凄く優しいおっちゃんにしか見えない。
コフィ・キングストンはしっかりと「場外から戻って来る」要員を果たしている。だけれど、今回はジャンプでと、結構普通かも。
グレート・カリは何で出すの?
やっぱりライバックに対して、未だに「ゴーバー!ゴーバー!」とゴールドバーグの劣化版チャントが起こるのは、もう「シナ、サック!」と同じ域になって来ている。
毎度破壊される事が決まっているスペイン実況席に、「ザキヤマことアルベルト・デル・リオには彼がいないとおもしろくない!」でお馴染みリカルド・ロドリゲスがいたから、「アルベルト・デル・リオが場外に落とされ、彼の目の前にはリカルド・ロドリゲスがいたので腹いせにボッコボコにされる」事を期待したのに、一切関わり合いも無いまま。リカルド・ロドリゲスを投げて実況席を破壊位の、リカルド・ロドリゲスコントが見たかった。リカルド・ロドリゲスのボロボロの姿はもう無しなのか…。それが好きなのに…。
そう言えば、ピッツバーグで開催されているからベン・ロスリスバーガーが見に来て映されていた。以前も「RAW」でホストしていたりしたみたいだけれど、普段からWWE見ているのだろうか?お仕事?

この「ロイヤル・ランブル」は観客の反撃という部分では非常におもしろかったけれど、結局見終わればつまらない訳でも、諸手を挙げておもしろがれる程でもなく、やっぱり全編微妙な感じ。観客もそうだけれど、わたしも、ダニエル・ブライアンやCMパンクやシールド等、上手くトップスターにしたかと思ったら会社側から沈静化させるという勿体無い事をしてしまい、トップの世代交代が中々進まない事に不満が起こるのも分かるし、もっと見せる試合をして行かないとまずい気がする。商売的には上手く行っているのでWWE的には良いのかもしれないけれど、口は出すけれどお金を使わない程々に濃いファンの反撃が「レッスル・マニア」でもあったらまずいんじゃないの。これからの「レッスル・マニア」へ向けての流れがどうなるか、どうして行くのかが見所ではあるけれど、近年は常にバタバタとしているしなぁ…。
 
 
追記

次の日の「RAW」が無料放送だったので見たら、ダニエル・ブライアンに対する観客の声援が凄いのに上層部が分かっていない事をダニエル・ブライアンに指摘させるという見事な自虐的なネタを初っ端から入れて来ていて、「そこでしょ!」と膝を打つ。まあ、そうしないといけない様に持っていた「ロイヤル・ランブル」の観客と、何してるんだかのWWEという事もあるけれど。
それに試合中に「JBL!JBL!」と試合そっちのけで観客が叫び始め、会場全体になったのでJBLが立って応えて、それに大盛り上がりになるという観客の反撃がここでもあり、試合に退屈させているという大分ヤバい状況じゃん。

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