ブロンコ・ビリー
2013年10月16日 水曜日クリント・イーストウッド監督・主演の1980年の映画「ブロンコ・ビリー(Bronco Billy)」。
サーカス団を率いる長で、馬乗りや拳銃撃ちを見せるブロンコ・ビリーが、遺産相続の為だけに男性と結婚し、相手に逃げられたリリー・アントワネットと出会い、可哀そうに思いサーカス団に入れ、喧嘩しながら惹かれあう。
南部の移動サーカス団の話だけれど典型的なハリウッドの恋愛映画。クリント・イーストウッドは紳士的で仲間思いだけれど、侮辱されると粗暴になる男性。相手役の女性は都市育ちで男性を馬鹿にしかしていない生意気な女性。この本来なら交わらない二人が出会い、始めはクリント・イーストウッドが惹かれるけれど喧嘩続きで、しかし段々とお互いに接近し合う。二人の関係が上手く行き始めた途端、遺産相続の問題で二人は離れ離れ。でも、やっぱり未練のある二人はくっつきました…で、めでたしめでたしという、非常に王道、悪く言えば見飽きた毎度の恋愛映画の展開。
なんだけれど、主軸は苦労しながらサーカス団を運営する団長ブロンコ・ビリーの話なので、その話が多く、恋愛映画としては微妙。クリント・イーストウッドを描き過ぎて彼の話ばかりの上、恋愛映画として一番の問題は相手役のソンドラ・ロックがただただ文句しか言わない役なので全く魅力が無い事。当時クリント・イーストウッドと付き合っていたソンドラ・ロックをクリント・イーストウッドが押し込んだ感ばかり感じてしまう。
恋愛映画でもあるけれど、コメディー色も結構あり、マカロニ・ウエスタンで名を上げたクリント・イーストウッドが現代のサーカスで西部一の早撃ちとして身を立てているというおもしろさでもあるけれど、コメディー部分は結構しょうもない。クリント・イーストウッドが銀行に行ったらすぐさま強盗が入り、子供を突き飛ばしたのでクリント・イーストウッドが強盗を見事に撃ち殺す場面とか、バーでの喧嘩の場面とか、都合が良いと言うか、ドタバタしてるだけなので見ていても白ける。
この映画、クリント・イーストウッドが柔らかい役をしている、銃をぶっ放して終わりのガンマン役の自らの印象を逆手に取った役を見る以上のモノは特に無い。話もそれぞれが分断している感じが強くて繋がりが悪く、恋愛を見せたいのか、コメディを見せたいのか、サーカス団の生活を見せたいのかがはっきりせず、色々と混ぜた割に分離してしまい、何だか的が絞り込めていない感じ。
☆☆★★★