Uncanny X-Men #173

2013年09月14日 土曜日

Wolverine」vol.1のミニシリーズを読み終わり、日本語翻訳版でもヴィレッジブックスから「ウルヴァリン」が出ているのだなぁ…と見ていたら、こちらには「Uncanny X-Men #172・173」も収録されているのを知る。わたしも、これないかな?と持っているアメコミを探ってみたら、「Wolverine:Triumphs and Tragedies」というウルヴァリン特集のTPBに二話とも収録されていたので読んでみる。
 
 
Uncanny X-Men #173 「To Have and Have Not」
ライター:Chris Claremont ペンシラー:Paul Smith

前回、ウルヴァリンと矢志田真理子(Mariko Yashida)の結婚式の為に日本に来ていたストームコロッサスナイトクローラーキティ・プライドは薬を盛られて倒れてしまう。そこで、ヒーリング・ファクターで元気なウルヴァリンと元気なローグが、その毒を盛ったシルバー・サムライ(本名原田剣一郎【Keniuchio Harada 原田家仁内夫?】)を探す為に日本の街を駆け回る。そして、ウルヴァリンとシルバー・サムライの直接対決は引き分けで引き合い、ウルヴァリンの結婚式が無事に開かれる事になるのだが…。

前回から引っ張ったウルヴァリンとシルバー・サムライの対決はあっさりで、そこよりも彼等を手助ける女性の話。ウルヴァリンにはマリコと、X-MENとしてウルヴァリンに認めてもらいたくて必死に身を張って助けようとするローグ。シルバー・サムライにはヴァイパー(マダム・ヒドラ )という女性がついて、仲間への想いを見せる。前話から続く雪緒(Yukio)とストームの別行動組の話も出て来るのだけれど、特にどうにかなる訳でも無く終わってしまう。
この#173は前回の振りのからの結末よりも、見せ場はウルヴァリンとマリコの結婚式。先に日本に来ていたX-MENメンバーに加え、ポラリスプロフェッサーXと当時交際中の宇宙列強種族シャイア帝国の王女リランドラ・ネラマニサイクロップスと当時交際中のマデリン・プライヤー、更にサイクロップスの弟ハボックに父親のクリストファー・サマーズまで出席。リランドラがマデリンを見て「フェニックスめ!」と襲い掛かる所を止められるという一幕があって、非常にワチャワチャした感じ。しかも、今までムササビみたいなマントの1970代風衣装だったストームが行き成りこれで現れたのだから、もう混沌。

 
 
Uncanny X-Men 173Uncanny X-Men #173(Wolverine:Triumphs and Tragedies) ©Marvel Comics

 
 

行き成りモヒカンに全身皮らしき黒装束。しかも「どう?これ、良くない?」的なしたり顔で、突如完全にパンクスになって現れたモノだから、キティが泣いて走り去ってしまうのには笑ってしまった。ヴィラン的な見た目だけれど、中々カッコ良い。
で、この回は結婚式の最後でちゃぶ台返しをしてしまい、訳が分からないまま尻切れトンボで終わってしまう。まさにクリフハンガーで来月に引っ張ってしまっている。

モヤモヤなままなので、「次号が読みたい!」と思ったら、「Wolverine:Triumphs and Tragedies」には「Uncanny X-Men #174」は収録されていない…。なので、調べたら「Uncanny X-Men #174」はTPBの「Uncanny X-Men:From the Ashes」に収録されているという事のなので、探したらあるじゃない「From the Ashes」。
で、「Uncanny X-Men #174」を見てみたら、もうX-MEN達は以前の生活に戻り、ウルヴァリンとマリコの話は「マリコに『出て行きなさい』と言われて寂しく去って行くウルヴァリン」という2ページだけ。
「えっ?これだけ?」と思ってパラパラとその後を見ていると、マリコに囁いた謎の男はマスターマインドで、マスターマインドの洗脳が解けた後に「Uncanny X-Men #176」で「結局マリコは矢志田家に対する責任を一人で追うので、ウルヴァリンと別れる」という何とも曖昧な結末。これ2ページ強だけで終り。折角「Wolverine」でまとまった話が、物凄いグダグダしたまま終わってしまった。「クリス・クレアモント何したかったの?」と思うのだけど、ウルヴァリンがこのまま日本で結婚生活送ったら、どうしてもウルヴァリン単独行動になって彼の活躍を描き難くくなってしまうので、何とか折り合いをつけた様な感じ。物凄い微妙。「Uncanny X-Men #176」まで見ると、「Wolverine」以降は本当に蛇足としか思えない。
 
 
関連:Wolverine(1982年)
    Uncanny X-Men #172

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