アイ・ラブ・トラブル

2013年06月19日 水曜日

ニック・ノルティジュリア・ロバーツ共演の1994年のサスペンス恋愛コメディ映画「アイ・ラブ・トラブル(I Love Trouble)」。

ニック・ノルティとジュリア・ロバーツは別新聞の記者同士で、列車の脱線事故の取材記事でまるで喧嘩の様に特ダネ記事を書き合い世間からも注目を浴びる。やがてお互いがこの事故に秘められた不審な点に気付き始め、隠された陰謀を探り始める。

お互いが新聞記者で、新聞の一面記事で意地を張り合い、どちらがより出来る新聞記者なのかをやり合うのだけれど、そこの喧嘩は結構おもしろいけれど、この映画1994年なのに流石に新聞で事件を巡ってやり合うって、設定が相当古臭くないか?1960年代辺りの映画のリメイクという訳ではないよね?テレビのリポーターが事件の速報性でやり合うなら納得するけれど、新聞の速報性や続報性でやりあうって無理がある。
それ以上にまず、ニック・ノルティとジュリア・ロバーツのこの二人が新聞記者で恋愛劇をするという企画自体無茶。
ニック・ノルティの登場は行き成り金髪女性にモテている所からで、凄い記号的、説明的なモテ方で、そうしないとニック・ノルティがプレイボーイになんて全く見えないから。若い女性が「見て!良い男!」と言ったのには笑ってしまった。渋さと言うよりも老化と言った方がいい50近いおっさん捕まえて速攻でキスするなんて、何て好きモノ。顔は堅物で普通の顔でも苦虫を噛み潰した様な表情なのに、非常にチャライ感じで持てるなんて、そこがコメディ。社会派の真面目な、もしくは汚い事もする新聞記者なら全く似合っているけれど。
ジュリア・ロバーツもどんだけ綺麗な新聞記者なんだ。見た目はモデル。地味目の服にしているけれど、結構色んな服に変え、ファッションショーしているし。彼女はこの時点で27歳だけれど、何で20代後半で新人記者なのかも、劇中では描かれていないのでよく分からないし。ニック・ノルティの人物像は描いているけれど、ジュリア・ロバーツの背景は結構お座なり。それと、彼女がこの映画内でやたらとしゃくれ顔するのは何なのだろう?

話的にはサスペンス、恋愛、コメディ、どれも中途半端と言うか、新聞記者の出し抜き合いだったのが、急に大企業を巻き込んだサスペンスになったと思ったら、お互いけなし合いながら実は惹かれているというベタな恋愛劇になったり、最終的には銃撃戦にアクションと「とにかくあるモノをぶち込んどけ!」的な1990年代の映画の悪い所が出てしまった展開。ニック・ノルティとジュリア・ロバーツの組み合わせ自体がぶち込んだ感があるけれど。

この映画、序盤の出し抜き合う新聞記者同士が恋に落ちるというだけなら、まあベタな古色蒼然な映画で、流石に1990年代では今更感は強いけれど、まあそんな恋愛映画…だったのに、そこに変にサスペンス要素入れてしまい、有りがちなアクション映画にまでなってしまい、何だか全部がバラバラ。題名が何かダサいと思ったら原題から「I Love Trouble」で、そこで映画を推し量るべき。

☆☆★★★

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