グラン・プリ
2013年01月18日 金曜日ジェームズ・ガーナー、イヴ・モンタン、三船敏郎共演の1966年のF1映画「グラン・プリ(Grand Prix)」。
題名通り、F1で戦う男達の話。モナコグランプリで事故の原因となり解雇されたジェームズ・ガーナーと、相手のレーサー、チャンピオンを狙うイヴ・モンタン、新たなドライバーを探すチームオーナーの三船敏郎が関わって行く群像劇。
わたしは以前は何年もF1グランプリを見ていたけれど、フジテレビのF1中継番組が永井大と山田優を使い出し、知らない誰かの感想位でしかない事を大声でたどたどしく喋るので余りにうっとおしく、アナウンサーも実況ではなくバラエティみたいに喧しく叫ぶのでうっとおしく、更に上位争いを見せずに「日本の~が!」とばかり言い、そんなうっとおしさとつまらなさとで結局見なくなってしまい、興味も失せてしまった。なのでこの映画も、映像的には非常に迫力はあるけれど、自動車のブンブン言うエンジン音が癇に障りまくりで、正直見続けるのがキツイ。レースをそのまま流した様な初めのモナコグランプリで映画的に退屈してしまう部分があり、そこでこの映画に乗り遅れた感は強い。次のフランスグランプリではモナコグランプリの反動か、レースの様子は見せず、観客席の観客や景色を前に、まるでイメージ映像的に見せるし、正直演出微妙。
話的にも自動車レースで戦う男達の話で、しかも初めのレースで事故により復帰出来ないレーサーが出て来るから、熱い男達の友情や裏切り、レースに対する恐怖や葛藤を描く熱い、男臭い物語を期待する所なんだけれど、主軸はレースだけど主題よりも時間を取る物語の副題がそのレーサー達のまったりした恋愛模様なので、温い感じを受けてしまう。しかも、その恋愛は全て不倫、浮気。レーサー達はレース開催中も次のレースまでの期間においても、乗る機体の調整や練習走行等の日々の努力の部分は一切描かれず、皆女性と遊び歩き、浮名を流すだけ。レーサーと上層部や調整班との軋轢や喧嘩も無く、レースにかける男達を描くにしては温過ぎる。
レースを転戦するのでレース場面が何度もあるけれど、そのレース場面が結構締まりが無い割に長く、そこでは登場人物達は皆無言でレースをしているだけで、レース中は人物の葛藤や話の展開が無いので構成的にも話が途切れ、全体的に総集編的な構成。その割に編集で小気味良くはなっておらず、非常にダラダラしている。
通常のF1中継だと機体に付けたカメラから電波を送って放送するから映像的には途切れたり乱れたたりするけれど、これはフィルムカメラを取り付けて撮影しているので非常に綺麗で迫力がある。
疑問だったのは、モナコでさえレースをしている車道脇直ぐの歩道に普通に人が立っていた事。今ではコース全て金網等で観客が入れない様になっているから、物凄い違和感。危ないないだろうと思っていたら、死亡事故になり、そりゃそうだ以上の感想が無い。
レースの映像的には迫力があり、そこの部分は良く撮れて、編集されているけれど、全体的には結構間延びしていて、話的にもレースを巡り戦う男達を描くにしては全然描き切れてもおらず、しかも上映時間が三時間と長過ぎる為にレースの緊張と普段の生活での緩和になっておらず、単に退屈、もっと摘まんだ方がいい感じに映ってしまうだけ。
☆☆★★★