世界中がアイ・ラヴ・ユー

2012年12月20日 木曜日

ウディ・アレン監督・脚本・主演の1996年のミュージカル映画「世界中がアイ・ラヴ・ユー(Everyone Says I Love You)」。アラン・アルダゴールディ・ホーンジュリア・ロバーツティム・ロスドリュー・バリモアエドワード・ノートンナタリー・ポートマン等登場人物が多彩。

ウディ・アレンと別れて別の男性と再婚した相手の一家を中心に人生模様が描かれる群像劇。

行き成りの金持ちの弁護士家族がリベラル派で、奥さんは資産家生まれで奉仕活動に熱心だけれど、息子は狂信的な共和党支持者でうっとおしいという皮肉的なコメディな部分で掴まれてしまった。次々と有名俳優が特に劇的でもなく、シラッと出て来てサラッと演技を始めたり、この素っ気無さは上手い。
しかし、その掴まれた部分も初めの少しだけ。これだけ多彩な俳優が登場して人生模様を描いてはいるのだけれど、ただウディ・アレンが出て来ると、やっぱりウディ・アレンの映画の印象が強過ぎになってしまう。ウディ・アレンは何時もの小言ばかりで口うるさいザビエルハゲな全く冴えないおじいさんなのに、綺麗な女性にモテるという皮肉的に笑いにしては毎度過ぎてオナニー感がうるさ過ぎる。
それに映画的に地味。さっと切る繋ぎの編集は良いのだけれど、それ以外の普通の場面や、ミュージカルの場面でさえ、ワンカットでただ人物を追うカメラのパーンだけだったりするのでダラッと流れてしまい、ただ一台のカメラで舞台中継をしている様なベタッと感じで、映画と言うには余りにも映像的に平板で盛り上がらない。何よりミュージカルなのに、ミュージカル場面が恐ろしい程躍動感が無い。歌も全然押しが弱いし。こんな跳ねないミュージカル映画始めて見た。おじいちゃんの幽霊のミュージカルの余りのしょうも無さに飽きれてしまったし。ウディ・アレンってミュージカルの才能が無い。

序盤はミュージカルだけれど結構シニカルな部分もあり、群像劇としておもしろいのに、話が進むに連れて全く盛り上がらないミュージカルと、やっぱりウディ・アレンが主役のウディ・アレン的展開で、ウディ・アレン映画以上でも以下でもない話になり、段々と興味が失せて来る。恋愛劇が中心だけれど、それも都合の良いファンタジーだし、それがおもしろいなら良いのだけれど安っぽいだけだし。コメディ部分もおもしろいのは息子が動脈障害だったから共和党支持という部分位で、それ以外はしょうもない。
群像劇は散漫で各人の描きが中途半端、ミュージカルは盛り上がらずつまらず、有名な役者が多く出ているけれども、色んな事詰め込んだ割に結局はどれも活かし切れずに終わってしまった感じ。

☆★★★★

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