誘惑のアフロディーテ

2012年12月19日 水曜日

ウディ・アレン監督・脚本・主演の1995年の映画「誘惑のアフロディーテ(Mighty Aphrodite)」。

養子を迎えたウディ・アレン夫婦だったけれど、ウディ・アレンは妻との関係が少し上手く行かず、息子の本当の親が気になり消息を調べ始める。

行き成り出て来る状況説明や感情紹介のギリシア悲劇の舞台劇を見れば分かる様に、ギリシア悲劇を現代に置き換え、優しくした様な話。
前半は夫婦の関係性の説明が強く、そんなにおもしろくもない。アホの子のミラ・ソルヴィノが出て来てからはコメディ性が強くなって来るけれど、ウディ・アレンのオナニー感が強くなり始めるのでどうにも乗り切れない。最終的に全ての人物を都合欲上手くまとめて、しょうも無い踊りと歌で終わってしまい、急なグダグダ感は否めず、見終わっても全体的な印象が吹っ飛び「…うん…。」としょうも無さが残る。

基本的に一場面ワンカットな舞台劇的会話劇なんだけれど、場面展開や編集が小気味良く非常に映画的で映像的には飽きさせない。会話劇や演出は、始まりの四人が食事している場面なんかは、何処までが脚本で、何処までがアドリブか分からない付け方。ただ、途中に頻繁に入って来るギリシア悲劇の面々が現実に参加して来ればして来る程笑いを誘わず、説明の為の導入としても全然成功はしておらず、うっとおしいだけ。

子供の名前を付ける場面の、「この名前どうだ」のやり取りが全くピンと来ない。欧米人だったらおもしろいやり取りなのか?
一番気になるのは、60過ぎの禿たしょぼくれたおじいさんと30歳位の女性が何故結婚したか。ウディ・アレンはやたらと神経質で見に行きたい舞台を優先させる様なスポーツ記者には全然見えないスポーツ記者で、ヘレナ・ボナム=カーターは画廊に努めているし、接点は一体何だったのかと気にしかならない。

ティム・バートンがヘレナ・ボナム=カーターを好きなのもこの映画を見ていて何となく分かった様な。この時のヘレナ・ボナム=カーターは非常にジョニー・デップっぽい。

この主人公がおじいさんのウディ・アレンだというのが無理を感じてしまい、結局ウディ・アレンの映画でしかない。それ以上のモノが出て来ないので、ウディ・アレン好き向けの映画。

☆☆★★★

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