おいしい生活

2012年12月21日 金曜日

ウディ・アレン監督・脚本・出演の2000年の映画「おいしい生活(Small Time Crooks)」。

ウディ・アレン一味が銀行強盗を計画。銀行の隣の物件を借り、その地下から穴を掘り忍び込もうとする。ただ計画がばれるといけないので、借りた物件でクッキー屋を始める。これが大当たりして一気に生活が変わるドタバタを描いたコメディ。

笑いは分かり易いドタバタコメディ。分かり易い割に、演出やカメラ割りがウディ・アレンの何時もの余りカットを割らず、長く回してパーンで振るだけの一場面で進めるので、コメディ色が強いのに非常にまったりして笑いも途切れ途切れ。クッキー屋での成功までが非常にポンポンと調子良く進むので、中盤以降のノッペリ感、間延び感がより際立つ。

ウディ・アレンが元強盗犯なんて、まあ似合わない。何時もの知的だけ小うるさい役ではなく、下品な役を演じていて演技的には上手いのだけれど、おじいさんになってから、しかもガリガリのおじいさんの銀行強盗なんて全くはまっておらず、登場人物の中で一人浮いている。特に強盗四人組でいる所なんて、場違い感が甚だしい。この設定自体が笑いなのか、それとも本気なのかさっぱり分からない。それに金持ちになってからの、成金チンピラ風の服装が似合わな過ぎる事も甚だしい。

1990年代のウディ・アレンの映画って、ウディ・アレン本人はすでにガリガリの禿たおじいさんなのに、その見た目に全く似合わない役ばかりで、自分の出たがり癖が出過ぎで、折角の話もウディ・アレンが演じる事によって全てが台無し。それに、序盤は良い調子と展開で始まるのに、すでに中盤頃にはノッペリと退屈な展開になり飽きて来る。これもそんな映画。コメディ色が強いのに、そのコメディも疎らでしょうも無い。「面白いでしょ?」と言う割にそれも子供騙しな笑い。それをもっと出せば笑いになるのに、展開的にも中途半端がずっと続いて終わってしまう。

☆★★★★

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