サハラ 死の砂漠を脱出せよ

2012年12月14日 金曜日

マシュー・マコノヒーペネロペ・クルス共演の2005年の冒険映画「サハラ 死の砂漠を脱出せよ(Sahara)」。

お宝を探すトレジャーハンター、マシュー・マコノヒーと相棒の親友のスティーヴ・ザーン。そこに病気を調査する医者のペネロペ・クルスが加わり、マリでの陰謀に巻き込まれての大騒動。

始まって30分もしない内に、「アメリカ南北戦争時の消えた装甲艦」「海洋のお宝引上げ団」「世界保健機関と謎の疫病」「怪しい実業家」等という沢山の振りを入れ、更に題名が「サハラ」なので、これ以降話は一体どう展開するのか?と、きっちりまとめられるのか?という不安が一杯。見て行けばそれなりにまとまっては行くけれど、お宝探しと陰謀はそれ程噛み合わず、中途半端な「インディアナ・ジョーンズ」に「ジェームス・ボンド」的スパイ・アクションモノを組み合わせた、取って付けた様な感じ。始めは結構真面目なサスペンスも混ぜた冒険モノの雰囲気だったのに、後半は至って普通なお気楽アクション映画に尻すぼみ。

この映画が微妙なのは、見た感じではファミリー・ムービーでもなさそうな感じだし、2005年の映画なのに、今更それするか?という、古臭いと言うか、ベタと言うか、大した事のない展開や演出が多い事。マシュー・マコノヒーとペネロペ・クルスとの出会いは、襲われたペネロペ・クルスを突然海から現れたマシュー・マコノヒーが格闘して助けるとか、21世紀にする事かのベタさ。井戸に下りて調査してたら丁度そこに敵がやって来て、井戸の中にいるから見つからないとか、サッカーをしていて蹴り逃し、逸らしたボールが転がり偶然にも洞窟を発見とか、何だかなと思える事も。それに、アフリカの軍人は独裁政権を築き、悪い事して金儲けをし、地方の部族は初めは敵対的だけれど本当は良い人達で、最終的には主人公に協力するという、これまでで見飽きた設定にも安さが。
それまでアフリカの砂漠で物語は進んでいたのに、終盤になると近代施設で悪者と戦うという、以前の「007」みたいな展開に。結局そのアクションモノかよというガッカリ感が強い。ちょっと「007」っぽい音楽も出て来るし。

それに駄目なのは、近年やたら多い勝手な邦題で、この邦題から「追い詰められた登場人物達が知恵を絞り、協力しながらサハラ砂漠から脱出する映画」だと思って見たら、砂漠からの脱出が主題でなく、むしろ各人の理由で砂漠へ乗り出して行っている事の方が描かれ、脱出劇ではなく、サハラ砂漠を舞台にした冒険アクション映画だったので、そこでも肩透かし。

役者はウィリアム・H・メイシーランベール・ウィルソンデルロイ・リンドーとかの見た顔ぶれが並ぶけれど、それ程濃さは無く、典型的なアクションモノの脇役でしかない。

クライブ・カッスラーの原作小説は「ダーク・ピット」シリーズとして何作も出されている様で、この映画もシリーズ化しそうな雰囲気はあるのに、この映画でクライブ・カッスラーと制作側が揉めたらしく、更に製作費1億3000万に対して興行収入1億1900万と微妙に割り込んだ事もあってか、これ以降続編は無い。
何より内容が冒険モノに正義の味方アクションモノを足して、それが結構どっち付かずのまま、上手く融和しなかった感じで、それなりなんだけれど、それ以上でもない映画だった。

☆☆★★★

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