伊豆の踊子
2012年10月05日 金曜日川端康成の小説を原作とした、山口百恵、三浦友和共演の1974年の映画「伊豆の踊子」。
三浦友和演じる書生が、一目ぼれした旅芸人の踊子山口百恵を追っかけて伊豆まで行くお話。
若者の淡い恋を、山口百恵と三浦友和の二人の初々しい爽やかさで全編爽やかに描いている。
一方で旅芸人の社会的不遇も描いていたりするけれど、まあアイドル映画。別に登場人物達の苦悩とかを深く掘り下げるでも無く、非常に軽く、さらっと見れる。始まりからして題名ジャ~ンで、山口百恵が歌う主題歌「伊豆の踊子」が聞こえたら、余りにアイドル映画で笑ってしまった。更に、悔しい時は黙って小枝を折ったり、山口百恵がお茶こぼして三浦友和に近づいてドキドキしたり、今見ると漫画の様な演出だけれど、この当時のこの演出は結構普通なモノだったのだろうか。
1974年の映画なので時代劇のセット等は流石に良い分、見た目はアイドル映画臭さはあんまり無いけれど。
主題歌もそうだけれど、全般音楽の使い方が如何にもな時代性で全然良くない。
山口百恵はこれが映画初出演・初主演だそうだけれど、彼女の演技が如何にも昔のアイドル演技の下手クソさで爆笑してしまった。彼女が喋る度にニタニタしっぱなし。この映画を見ていると山口百恵って結構アイドル。それ程可愛くも無いし、同時代に生きていないと山口百恵のスター性っていまいち分からない。
三浦友和が若い。まだ22歳で坊ちゃん。本当に初心で可愛らしい。今時の若手アイドル俳優として受けそうな感じ。下手をすると山口百恵よりも可愛らしいと思ってしまうのは、何か方向性が違うか?
中山仁が若くて結構カッコ良い。でもやっぱり中山仁。自分は26歳と言うけれど、どうにもそんな感じには見えない。実際は32歳だから。
山口百恵と三浦友和を見るアイドル映画。アイドルの役者としての売り出しだけれど、だから文学作品選びましたな感じ。その割に最後は嫌な、山口百恵が汚れる様な暗いぶった切りで終り、暗さを持っている。だから、それまでが爽やか過ぎるので、もう少し全体的に重い、悩む感じがあった方が良いように思えた。
☆☆★★★