ブルーサンダー

2012年09月12日 水曜日

ジョン・バダム監督、ロイ・シャイダー主演のヘリコプター映画「ブルーサンダー(Blue Thunder)」。

ヘリコプターからの監視・追跡と言うと、映画やドラマでも良く見るし、犯罪追跡のドキュメントと言うよりも衝撃映像的な海外の番組を安く買い付けて紹介する番組で良く見るけれど、普通は主人公を補佐・援護する脇役で終わる所を、そちらのヘリコプターからの監視・追跡をしている警官を主人公に置いた珍しい話。その使い方は、このヘリコプターでの捜査が市民の生活を覗き、プライバシーを侵害するので評判が良くない等、今見ても結構成程と関心する扱い方。
話的には、このヘリコプターでの偵察に新型機体が配備され、それを巡る陰謀と殺人事件を絡めて進んで行く。でもサスペンスは少しもっちゃりして、キビキビ感が無いので少々退屈する部分はある。

見所はやっぱり、後半の市街地でのヘリコプター戦。用水路を低空で飛ぶヘリコプターは、操縦士が流石な制御で迫力満点。でもこの市街戦は、始めヘリコプター二台、次は戦闘機、そして最後は主犯格が乗る戦闘ヘリと、まるで安っぽいゲームのボス戦までの流れみたい。

結構訳の分からない所も。戦闘機から狙われた主人公のヘリコプターは、熱誘導のミサイル発射を町の建物からの排気の熱でその建物にミサイルをぶつけ回避するけれど、それまで市民を守るはずだった良い人だったのに、ビル爆破で中にいるだろう市民が死のうとも何とも思っていない非情さが行き成り出て来たりする。しかしその建物の中の人は普通の料理人なのに超能力者の集団なのか、まだミサイルが飛んで来てもいないのに何故か異変を察知し、外へ退避して皆無事と言う無茶苦茶な都合の良さ。しかしその次には大きなビルがミサイルで吹っ飛ぶ事になり、無人なんて事もないだろうから、その大丈夫でしたと言う言い訳も無に帰してしまうのだが。更に、市街だと隠れれる所も沢山あり、相手をかわす事も出来るからと積極的に町で戦い、敵に向けて銃を撃つけれど後ろのビルまで破壊するという、単なる無法者にまで落ちてしまう。でも、悪者の悪巧みを暴いたからめでたしめでたしで、まるで正義の人のまま終わってしまう。

この最新ヘリコ「ブルーサンダー」の見た目は角ばっていて、外側にゴテッと謎の装置が付いていて、如何にも80年代的SF機械感。
でも良いのは、80年代の映画なので全部ちゃんとヘリコプターを飛ばしているので現実感が高い所。21世紀の映画になるとCGでやってしまうので、確かに映像的には迫力あるモノだけれど、嘘臭さ、偽物感は一杯で、どうしても覚めてしまう部分がある。

ロイ・シャイダーの寝顔、うなされる顔が死の臭いがして怖い。

始まりは、何時もは脇役のヘリコプターからの偵察員の話なので結構おもしろく見ていたのに、中盤辺りからのサスペンスは緊張感が無く間延びする感じだし、終盤の見せ場のヘリコプターでの戦闘も、急にロイ・シャイダーが市民の生死を考えず無茶苦茶して、あれれ感は強いし、展開も非常に真っ直ぐで特に捻りは無いしで、どうにも盛り上がらない、いまいち感が強くなってしまった映画。

☆☆★★★

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