ザスーラ

2012年09月10日 月曜日

驚くべき大ヒット映画になった「アベンジャーズ」では製作総指揮、「アイアンマン1・2」で監督・製作総指揮していたジョン・ファヴローの「アイアンマン」前に監督した映画「ザスーラ(Zathura: A Space Adventure)」。

この映画、ボードゲームで出た目が実際に現実に起こるというのは、映画「ジュマンジ」と同じと思ったら、どちらも同じクリス・ヴァン・オールズバーグの絵本が原作だからか。
「ジュマンジ」は動物系だったけれど、こちらは宇宙SFのボードゲーム。「ジュマンジ」ではロビン・ウィリアムズという狂言回しがいたので一癖あったけれど、こちらはそんな人物もおらず、非常に真っ直ぐなファミリームービー。展開的にも何か一気に逸脱する様な事も無く、しかも二時間近くもあるので、後半になると少々退屈して来る。もっと流れ良く、ポンポンと行っても良かったと思える。それに「ジュマンジ」のロビン・ウィリアムズは一捻りある設定からの展開を見せたけれど、この映画ではそのロビン・ウィリアムズ的立ち位置の宇宙飛行士は意味が分からない、意味の余り無い結末を見せてしまう。

ボードゲームの「ザスーラ」はパルプSF雑誌風の画のブリキの玩具で、この映画で一番見た目が良いのがこの玩具。この玩具が非常に良く出来ていて、この映画見るとこれが欲しくなって来る。ただ外箱の画が1930~1940年代風の現在の画なので、マニアが外箱だけ新調した感じ。
これ以外もロボットの造形や動きも非常に良い。ロボットは上半身が大き過ぎるので激しく動くと足元がおぼつかない、ふらつくという細かい動きを見せ、この人間臭い機械感の表現が良い。だから監督のジョン・ファヴローは「アイアンマン」に選ばれたのか?

子供達の父親がティム・ロビンスなのだけれど、どうもティム・ロビンスの優しい父親というのがしっくり来なく、顔が怖く、何か一物を抱えた人にしか見えない。こんなボードゲームのある家に住んでるのだから、何かしらの秘密を握っているのかと思いきや、普通の父親で、別にティム・ロビンスでなくともいい配役。
姉役のクリステン・スチュワートって、「トワイライト」シリーズの主人公なのか。でも、この映画ではいる必要がないと思えるのだけれど。
この二人もそうだけれど、主人公二人以外の存在感の薄さと言ったら…。

これ、吹き替え版で見てしまったのだけれど、子供達の吹き替えが実際に子供なので、大して減り張りも無く、上手くも無い平板的な子供演技する子供の吹き替えを二時間近く聞き続けるのは、正直しんどい。

これで評価を得たのか、ジョン・ファヴローはこの次に「アイアンマン」を監督。繋がりは無いけれど前作的な「ジュマンジ」の監督ジョー・ジョンストンは「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」の監督をしているという、少し不思議な縁。

自分の家の中で宇宙SFで冒険するという発想はおもしろいけれど、主人公の子供達が幼過ぎるので、どうしても映画の対象年齢は低くなってしまう。映像的にも見せるし、美術のレトロ・フューチャー感も良く、ファミリームービーとしては中々上手く出来ていると思うけれど、やっぱり大人が熱中する様な映画ではないので、どうしても評価はそれなりになってしまう。
これ映画の一本ではなく、主人公兄弟の年齢をもっと上げ、連続テレビドラマでしたら、結構おもしろいSFシリーズになる様な気がするのだけど。

☆☆☆★★

« | »

Trackback URL

Leave a Reply