アトランティスのこころ

2012年09月09日 日曜日

スティーヴン・キング原作、アンソニー・ホプキンス主演の映画「アトランティスのこころ(Hearts in Atlantis)」。

母子家庭の家の二階に引っ越して来たアンソニー・ホプキンスと少年のお話。

始めはホラー作家スティーヴン・キングのもう一面の、懐かしさ溢れる少し昔のおじいさんと子供の心温まる交流かと思いきや、アンソニー・ホプキンスは不思議な力を見せ、怪しい奴らの存在をほのめかし始め、何が展開されるのか良く分からない、非常にフワフワと掴み所の無い展開になる。この、何かあるぞと言う振りがある分、子供の日常をまったり描く部分がどうにも退屈して来る。
交流の部分は、べったりという事でもなくサラッとしていてそれ程だし、子供の時の話は特に何か劇的な事も無く、少年時代の懐かしさもいまいちだし、謎の部分の引っ張りもそこの部分は全然見せないし、脚本は散漫で緩慢。懐かしさの部分で楽しんで良いのか、謎の部分に興味を馳せば良いのか、最後までどちっつかずで、こちらの掴み所と捕まれ所が無い。

アンソニー・ホプキンスが初め登場した時、二階にあんな、恐ろしい程の目力と顔の迫力を持ったおじいさん来たら、怖くてしょうがないと思うけれど、それも謎の力を持っているという事でなる程の配役。でも、アンソニー・ホプキンスが全然力が入っていない様な感じで、意外と印象に残らない薄さ。
少年役のアントン・イェルチンは変に大人びた演技をしている。

この映画、何を楽しんだら良いのか、いまいち理解しないまま終わってしまった。少年時代の懐かしさなら、アンソニー・ホプキンスの能力は全然いらないし、アンソニー・ホプキンスの事件の顛末は一体何じゃこりゃな、訳が分からず必要性が見出せない話だし、そちらの不思議部分を楽しむには全然描きが少な過ぎるし、感動の部分と不思議の部分が見事に混ざり合わず、結局何がしたいのかさっぱり分からない映画だった。

☆★★★★

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