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ロッキー4/炎の友情

2012年08月18日 土曜日

内容的に前作、三作目で区切りが付いたはずの「ロッキー」シリーズの更に続編「ロッキー4/炎の友情(Rocky IV)」。更に、四作目なのに今回から変な邦題が付け足されている。

今度のロッキーの相手はソ連のボクサーで、毎度の如くボクシングの試合をする。ただ今回は、試合までの葛藤はほとんど描かれず、非常に素っ気無い流れで試合をして終わり。大きくなった息子との交流とか、倦怠期に入った夫婦とか、現役としては辛くなったはずのロッキーの人生とか、色々描ける要素はあったのに、そこら辺は切り捨て、単なるエンターテイメント・ボクシング映画にしてしまった感じ。
これまでと同じく、前作の終盤の再上映から始まり、前作でのせっかくの終わりの良い場面は台無し。始まりの掴みを前作の良い場面で使ってしまうのは、便利だけれど手抜き。その後は、シリーズどれもと同じく盛り上げに欠けるロッキーの日常話が長く続き退屈。
それに、前作ではトレーナーのミッキーが突き飛ばされただけで簡単に死んでしまったけれど、今回はアポロが対戦を盛り上げる為だけにあっさり死んでしまい笑ってしまった。

前作以上にエンターテイメント路線に走り、それが失敗している。延々ジェームス・ブラウンの「Living in America」の歌を見せるのは何のこっちゃ…。変な安っぽい科学トレーニングの成果のドルフ・ラングレンとか、2m近くもあるデカ過ぎる変な召使いロボットとか、いらないしょっぱさが多過ぎる。それに、急にソ連の選手出して国同士の疑似戦争的な部分を出して来たのは何だろう?

そして、ボクシングの試合場面はやっぱり酷い。ドルフ・ラングレンの方は、極真空手をしていたので確かに構えやパンチは空手っぽい感じはあるけれど、様になっていて強そうに見えるのだけれど、シルヴェスター・スタローンは毎度お馴染みのノーガードで正面から相手のパンチを受けまくり。しかも今回はやたらと横にヒョコヒョコ避ける仕草が奇妙で、見ていて笑ってしまった。
それなのに、ドルフ・ラングレンが押されている状況で、ソ連の観客からロッキーへの声援で埋め尽くされるとか、最後の安っぽ過ぎる締めとか、シルヴェスター・スタローンはボクシング演技だけでなく、今回は(も?)脚本も相当…。
脚本だけでなく演出も相当…。製作年が1985年だから、音楽が80年代的なダサさでカッコ悪い。その音楽に合わせ、カットインして来る映像や、別の短く入って来る映像とか、演出も編集もカッコ悪い。ロッキーがスポーツカーに乗って出て行く場面で、ドルフ・ラングレンの短いカット挟んだり、これまでのアポロとの戦いとシリーズ名場面の延々と続く回想は、何で行き成り名場面を使ったPV流すんだと思える、ただの時間の水増し。ジェームス・ブラウンの歌う場面もそうだし、やたらと歌を流しながら場面を見せる、PVの場面が多過ぎ。それなのに上映時間は90分位しかないし。内容の無さを隠す為の演出なので、非常にしょうもない。

ドルフ・ラングレンは若くて、言われないとドルフ・ラングレンとは思えない感じも。それに意外と線が細い。

三作目でエンターテイメント路線に行き、それなりに映画シリーズとしては持ち直したかと思いきや、今作でエンターテイメント路線に行った仇が出て来、見た目は派手だけれど、内容はこれまで以上にスカスカ、人物の心情を描く事無くただボクシングをするだけの映画になってしまっている。しかも、話もしょうも無い。「ロッキー」シリーズって、回を重ねる毎に「前作で止めとけば…。」とより強く思って行く映画。

☆★★★★

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