母なる地球 – アイザック・アシモフ

2007年11月01日 木曜日

今まで「アシモフ初期作品集」を12と読み終え、本来の未読で読もうと思っていた三巻目の「母なる地球」を読んだ。

今回は「心理学で話が進み、現実がその通りになる」と言う話が多かった。
この、何人かでの会話があり現実がそれに沿って行くというのが苦手。
ファウンデーションもそうなのだが、あまりに上手く大勢の人間が動き過ぎて、何だかアジモフの掌の中で上手く転がされている感じが心地良くなく、苦手。
それよりも「ロボットモノ」の、決められた設定の中からはみ出している様でキッチリ収まっているという、推理小説的SFの方が好み。
こちらはやはりアジモフの掌の中で転がされている感じはあるが、むしろ心地良い。
今回はそんな心地良さが無かった。
SFよりも、ファンタジー、幻想小説の「著者よ!著者よ!」が、なんともひねた感じで新鮮だった。

そして今回の作品回顧録は特に興味深かった。
いきなりオーソン・ウェルズが出てきてそれだけだったり、ぶちぎれるアジモフや、チオチモリンの顛末の洒落た良い話など。

この三冊の短編集の作品回顧録は、はっきり言って本編よりも面白かった。
出てくるSF小説界の人々、アジモフが出会う出来事にワクワクし、初期の小説を更に読ませ、本編以上に身をいれて読んでしまう。
この短編集を読み終え、これ以降の小説よりもアジモフの自伝が読みたくなった。

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