ハート・オブ・ウーマン

2012年07月15日 日曜日

メル・ギブソンヘレン・ハント共演の映画「ハート・オブ・ウーマン(What women want)」。

仕事も女性もイケイケなメル・ギブソンが、会社の女性重視の方針変更で戸惑うけれど、何故か女性だけ考える事が分かってしまう能力を持ってしまい、女性が表面とは違い内面は相当根性悪な事に、怯え、困惑し、傷付いたり、でもその能力を活用して仕事も人間関係も上手く行く、恋愛コメディ。
男な男性なメル・ギブソンだけでなく、男性にしろ女性にしろ、相手が考えている本当の事を知れば、落ち込むだろうし、「聞きたくない。聞きたくない。」となるよなぁという所は非常に納得。ただ、メル・ギブソンは元々ガンガン行く性格なので好転するけれど、もっと気にしいだったら人と会わない様に外出なくなるはず。
男女差を描いてはいるんだろうけれど、元々メル・ギブソンが自分本位で、あんまり他人の事を気にしないという性格で難があるので、仕事を上手くする為に女性の考えを知ろうとする事によって、感情移入や他人を思いやる事が出来始めるという、男女差とは関係無い所に行くので、結局は個人の資質の問題じゃあないのかなと思えた。

意外とメル・ギブソンの調子の良い、モテ男、良い男と勘違いしている感じが良い。調子良いスケベ親父はぴったりだけれど、あんまり仕事出来る風には見えないのがどうにも。仕事は女性の意見を盗み聞きだし、それ以前に仕事がバリバリ出来、流石な所が描かれていないので、いまいち納得出来ない。
「男はフランク・シナトラだ!」と言って彼の歌を聴きながら踊るけれど、フランク・シナトラっておっさんと言うか、もう老年の好み。
それに自分で広告文句考えながら独り言言って、乗り突っ込みまでする、他もそうだけれど全体的に基本はメル・ギブソンが一人でドタバタするコメディ。

でもこの映画、良く考えたらスーパーヒーローモノ。電気ビリビリで能力手に入れ、ただその能力は他人の為に使うのではなく、自分の為。そして人の為に走り周るのは、能力無くなってから。
この映画の製作年2000年頃は、アメリカでも消費の中心は16~24歳が中心になり、広告もそこ向けに打たざるを得ない状況って、日本のF1層向けにほとんどの広告やTV番組が出来ているのと似てる事に関心。
メル・ギブソンが見ているTVで「レッド・オクトーバーを追え!」が放送していて、ショーン・コネリーに対して「何気取ってんだ。このおっさんが。」と毒づくのがちょっと面白い。何でショーン・コネリーをくささないといけないんだ。
わたしにとってはボビー・ダーリン(Bobby Darin) の「Mack The Knife」よりも、LONG VACATIONのケラリーノ・サンドロヴィッチが歌う方の「Mack The Knife」の方が有名な「Mack The Knife」が流れ、「おおっ!」と思うけれど、2番の頭の一行目途中で歌が切れ、音楽のみになるので気持ち悪い。
あと、日本語吹き替えだとNIKEの発音が、英語の様にアイの所にアクセントが無く、内規と同じ平板に発音するので気持ち悪い。

邦題は甘い恋愛ドラマな感じがして全然良くないけれど、原題は「What women want」で結構直球。

この映画の監督・脚本は女性のナンシー・マイヤーズがしているからか、男性は分かり易く、女性は根性悪だけれど良いとこ突けば非常に素直と、男女共にあんまり笑えない、だけれど皮肉的に笑える話になっている。
話的には困惑して、しかし上手く活用して、中盤まで楽しいコメディだけれども、その後は能力無くても相手を思いやる人になり、仕事も恋愛も家族も上手く行くという温かい話になり、まあ非常に王道な展開。だけれど、メル・ギブソンのドタバタしっぷりがなかなか楽しいので、飽きる事も無く見られる。

☆☆☆★★

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