ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合

2012年06月30日 土曜日

エディ・マーフィ主演の「ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合(The Nutty Professor)」。

太り過ぎな生物学の教授が女性にモテようと、研究していた薬を飲んで一気に痩せてのてんやわんや。

これ、クソつまんない。始まりから、ハムスターが逃げ出しての笑いがすべるすべる。それ以降も全ての笑いが子供騙し。しょうも無くて失笑すらない。致命的なのは、会話が一切おもしろくない。会話のやり取りもそうだけれど、エディ・マーフィが一人で面白いらしい事を喋っているだけ。そのネタも、デブネタと、おならとかその下品さで笑かしにかかっているけれど、全く面白くない。スタンダップ・コメディの場面は、「何が面白いんだ?」と理解する前に会場大爆笑なので、付いて行けず、それまで。痩せて別人と言うか、本来のエディ・マーフィに戻ってからは、いつも以上に陽気に飛ばしまくっているので、最早付いて行けず。
題材として、薬で簡単に痩せれると、その当時のダイエットの過熱ぶりをおちょくってはいるのだけれど、日本みたいに「そんなに太っていないのにやたら痩せたいという強迫観念じみている、異常なダイエット志向」だと分かるのに、「トンデモなく太って、命が危険そうな人が、そのままで良いんだよ。」という結論に至ると、相当危ない社会で、何ら笑えやしない。異常な程太り過ぎのおっさんが、モテる理由さえもはっきりしないし。彼の研究を盗みに来たとしか思えない。
アメリカでは、低所得者の方が肥満傾向が高いらしく、この映画は「底抜け大学教授」のリメイクで、その時に教授を演じていたのはジェリー・ルイスだったけれど、この映画での主人公は黒人のエディ・マーフィにしたのは時代の流れを取り入れたって事なのか。
あと、痩せるとガンガンに攻める人物に変わってしまう「ジキル博士とハイド氏」の要素もあるけれど、単に何時ものエディ・マーフィに戻っただけなので、その要素もどうでも良い感じ。
この1990年代の時期に、「ミセス・ダウト」とか、「スティーヴン・キング/痩せゆく男」とか、やたらと普通の役者が異常に痩せた人を特殊メイクで演じるという映画があって、別に見新しいモノでも無いし。
ただ、エディ・マーフィが特殊メイクをして、一人で家族四人を演じている所は流石。見た目ももちろん、仕草、声、喋り方を使い分け、別人になり切っている。でも、この映画の見所はそこだけ。

この映画、エンド・クレジットでNG集が流れるのだけど、この映画が如何にエディ・マーフィの独壇場か見れ、好き放題の笑かしで、この映画で一番面白いのは致命的。別にこの映画本編見なくて、この最後だけ見ても何ら問題無い。エディ・マーフィが別人を一人で演じるのと、このNG集が無ければ救いの無かった映画。

☆★★★★

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