名探偵ポワロ ハロウィーン・パーティー

2012年02月09日 木曜日

エルキュール・ポワロと言えば、シャーロック・ホームズと並び映像化された中でも非常に有名な名探偵。イギリスのTVドラマシリーズがもう20年前位から日本でも放送されていて、子供の時に良く見ていたのを憶えている。で、テレビ欄を見ていたら「名探偵ポワロ 最新作」と書かれていたので「名探偵ポワロ ハロウィーン・パーティー」を見てみる。

エルキュール・ポワロはもちろんデヴィッド・スーシェ。ただ、そりゃそうだろうけれど、かつて見ていたポワロよりも歳を取っている。もう彼も65なので老いが見える。それに変わらずの声の熊倉一雄が85歳なのでよりおじいさん感が出ている。ただ、デヴィッド・スーシェのポワロはやっぱりばくさんじゃあなくちゃ。「エグゼクティブ・デシジョン」の全然ポワロじゃない役と特に吹き替えは違和感で笑ってしまう。
変わらぬポワロはやっぱり良いのだけれど、残念なのはヘイスティングスがいない事。あのお人好しと遊んでいるポワロとのやり取りがおもしろいのに。

話は、ハロウィーン・パーティーで起こった子供の殺人から片田舎の町の過去が、人間関係が掘り起こされて行く展開は推理小説、探偵小説の王道で、やっぱりワクワクする。どこまでアガサ・クリスティの原作に沿っているのか分からないけれど、小説を読んでいる様なじっくりと、きっちりと映像化している感じで、安心して楽しめる。もちろんアガサ・クリスティが上手いのだけれど、映像化となるとやっぱりデヴィッド・スーシェの力が大きい。彼の身だしなみにこだわり、物凄く人当たりの良い、優しい灰色の小さな脳細胞じゃあなくっちゃ。

この中で出て来た、本来ならクリスマスにするらしい子供の遊び「スナップドラゴン」が恐ろしい。ブランディーに漬けたレーズンを皿に入れ、それに火を付け子供に取らせるという、不良の無謀で馬鹿な度胸試し見たいな遊びが、本当にイギリス等ではあるそうなのだから恐ろしい。本編の話はこれ以上に嫌~な感じなのだけれど。

20年以上デヴィッド・スーシェで続くこのシリーズは非常に上質で、1930年代の雰囲気や、その時代が醸し出すねっとりとした事件や人間関係もあり、何処から見ても楽しめる、やっぱりポワロ。

☆☆☆★★

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