ファイナル・カウントダウン

2012年02月02日 木曜日

カーク・ダグラスマーティン・シーン共演という、共に俳優で下関係がアレ過ぎる息子も持つ俳優二人が共演した映画「ファイナル・カウントダウン(The Final Countdown)」。

H・G・ウェルズを起源とする「もしも今の知識のまま過去のあの時に行けたなら…。」の流れのお話。これは1980年当時の近代兵器を備えた攻撃空母ニミッツがもしも1941年の真珠湾攻撃の当日に行ったらのお話。現状把握から、特異な状況でどうするかをじっくり描いてはいるのだけれど、何かつまらない。最初期のH・G・ウェルズでさえSFしていたのに、今でも良くある、ハードSF、理数系SFを少しも匂わせない安易なタイムスリップモノで、設定が偶然が出来過ぎのファンタジーで萎える。そして過去に来たと分かっても、普通こういう話だと一人は原因を突き止めようとするモノなのに、特に誰も調べもせず、何と誰一人として「何とかして元の現在に戻ろう!」とも一切言わない。「歴史の流れが…。」と言う話は少しするけれど、「負けた戦争をやり直して勝つぞ!」という結論に落ち着く。まあ頭悪い感じはありありだけれど、それならばそれで日本軍と格段に強い最新兵器を持った未来のアメリカ軍の戦闘になり、そこが映画の最大の見せ場にするんだろうなと思いきや、急に現代に戻ってそれすら無しで肩透かし。結局この映画は、「もしも未来の兵器があったら真珠湾攻撃はどうなっていたか。」で引っ張っていたはずなのに、それすら見せない。一番の見せ場が、早い段階であった零戦対マクロスならぬF-14トムキャットの空戦だった事に気付き、もっと大きな戦闘が出て来るのだろうと期待して見ていた分だけ何だか損した感じがする。初めの頃は何故か上手い具合の偶然で真珠湾攻撃前日に行って、どうするのかでワクワク感はあったのに、終わってみると余りのしょっぱさでグダグダ。尻すぼみ感が半端無い。この手の話では日本の「戦国自衛隊」があるけれど、オリジナルは見た事が無く、そのリメイク「戦国自衛隊1549」の酷さ、クソっぷりに比べればまだましかぁ…とも思えるけれど、肩落とす感は大きい。

そう言えば、カーク・ダグラスの年取ってから、マーティン・シーンの若い時を初めて見たけれど、息子のマイケル・ダグラスの最近の歳行ってからはカーク・ダグラスの歳行った頃とはあんまり似ていないなぁ…とか、チャーリー・シーンは若い時のマーティン・シーンに似過ぎているとか、思う。

それと題名の「ファイナル・カウントダウン」は何の事だったのかさっぱりだったけれど、「ファイナル・カウントダウン」と見るとどうしても、ヨーロッパの「♪The Final Countdown~テケテーテ~」の方が頭で再生される。
更にそれと、最近撮り貯めていた「ザ・ペンギンズ from マダガスカル」を見ているせいで、艦長のカーク・ダグラスに対して皆が「スキッパー!」と呼びかけるの聞いて、「何だ新人!コワルスキー、分析! リコ、武器!」とつい脳内再生されてしまった。

☆★★★★

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