突然炎のごとく

2012年01月27日 金曜日

フランソワ・トリュフォー監督の映画「突然炎のごとく(Jules et Jim)」。

始まりは台詞からの音楽バーン!でお洒落な感じがしてなかなか良い感じで進んで行くのだけれど、20分位するとだんだんつまらなさに気付き、後は早送り。
男性二人と女性一人の青春恋愛劇なのだけれど、どうでも良い感爆発。
意味有り気な会話だけれど特に意味は無く、お洒落の雰囲気を出す為の道具として使われる会話。
何度もしつこく入る状況や登場人物の感情を説明するナレーション。
そう、最近の日本映画やドラマで多用される様な演技や演出で見せる所を安易に独白にしてしまう、駄目な、つまらなくする演出を多用している。
更に途中途中で挟まれる当時の町や社会情勢の映像は当時の借り物の映像で、安っぽさだけが目立つ。
しかし、映像的な演出や編集等は人物の顔を追いカメラがグルグル動いたり、拡大ワイプの場面繋ぎだったり、今でも通じる早いカット割りだったりするのでこの上手さと安さの不均等さにつまずいてしまった。
良く芸術的な映画という褒め言葉があるけれど、実は雰囲気番長で退屈な映画の裏返しだったりするけれど、まさにこの映画は芸術的と言えるかも。
一番どうでも良いと感じる種類の映画。

一番乗っかっていけない理由はジャンヌ・モロー
別に行動が突飛で何を考えてんだか分からないという所はそういう人物設定なので良いのだけれど、彼女がどうも中年と言うか、40歳過ぎの場末の安宿の女将の様な「おばはん」にしか見えない。
本来は奔放で魅力的な若い女性のはずなのに初めの頃から「おばはんシッー!」としか思えないので、二人の男の行動が成程と思って見れる訳も無く。

自分は妻に捨てられたくないから親友を同じ家に住まわせ妻の相手をさせたり、ジャンヌ・モローは自分勝手な願いが叶わぬと分かると銃を出して「死んで!」とやったり、自動車水没であっさり死んだり、何だかコントみたいで笑っってしまった。

掴みで「何やら演出的に凝っていておもしろそう。」と思った分、「そりゃあそうなるだろう。」という関係と、話が進むにしたがって初めの頃にあった攻撃的な演出や編集が段々と忘れて行ったかの様に薄くなり、全体的にグダグダし出すと「もう良いや…」で投げ出してしまった。

☆☆★★★

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