2012年01月28日 土曜日

フェデリコ・フェリーニ監督の映画「道(La Strada)」。

観始めてからかつて見た事を思い出したが、そのかつて見た時はもっと哀しさを感じていたはずなのに、今回見ると特に感情を震わす事も無かった。
ジュリエッタ・マシーナ演じるジェルソミーナは、純真で自分の思いが通じない切ない人物で哀しさを感じるのだけれど、まだ若い少女の設定なのに見た目がおばさん、おばあさんの様な皺顔で、実際この映画の製作時1954年にジュリエッタ・マシーナは33歳で、どう見ても無理過ぎる配役と、まるで無声映画時代のコメディアンの様な大袈裟な顔芸にイラッと来て、まあ物語に乗って行けない。それにザンパノの「体に巻きつけた鎖を伸びで切る」というしょっぱい大道芸に、何でこれで人が喜んでいるのかがさっぱり。
構成としても、ジェルソミーナを中心にした思いの通じなさ、自分の望まない境遇で如何に生き、気持ちが変わって行くのかをずっと描いていたのに、最終的にザンパノがやっぱり後悔しましたという今更な終わり。キリスト教的な「悪い事したけれど、後悔しました。」というのを見せられても、「はい、はい。」位にしか思わないので、グダッとしたまま終わった。

男女の物語としては、哀しさがあり、それなりに良いのだけれど、全編通してそこはかとなく退屈。1950年代のイタリアの様子や社会風俗が見られる点ではおもしろいとは思うけれど。

☆☆★★★

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