スイミング・プール

2011年11月05日 土曜日

2003年のフランソワ・オゾン監督映画「スイミング・プール (Swimming Pool)」。

やたらと思わせ振りに間を持たせるけど特に意味は無く、一場面1カット位の間延びしまくる演出で退屈。話も前半、中盤と特に事件らしい出来事も無く、主人公が探偵小説家というのが生かされるのも最後の方だけ。しかも、それまでは人物描写やその人の思っている事の描写がほとんど無いのに、最後は説明的過ぎる演出で終わるし。
何と言ってもこの映画を見ていて疲れるのは、主人公演じるシャーロット・ランプリングのその陰鬱な表情。枯れてイライラしている主人公と、自由奔放で如何にも若者といった娘との対比はくっきり出ているのだけれど、シャーロット・ランプリングのまさにイギリスの空ならぬどんよりとした表情で、台詞が少なく寡黙にじっと見ているのを見ると、こちらまで陰鬱になって来る。それだけ役と演技が合っているという事だけれど。
あと、困ったから相手を引き付けておく為に乳を放り出すのには笑った。困ったから取りあえず脱ぐお笑い芸人じゃないんだから。抑えた欲望のはけ口がこれとはしょっぱい。
延々と何がしたいのか分からぬまま小娘に対抗心を抱きこっそり覗きをするおばさんを、間を持たせて描き続けられてもおもしろいモンじゃあない。最後の落ちの為に延々と引っ張りに付き合わされた感じで、特に驚きも無く退屈な映画だった。

☆★★★★

« | »

Trackback URL

Leave a Reply