Q&A
2011年10月30日 日曜日事件を追うのは刑事ではなく検事で、刑事が関わった事件の正当性を調べて行く内にどうやら…という、検事目線の話。
その警察内部の闇を追って行く展開は、意外性に溢るサスペンス映画としてもおもしろいかと言われればそうでも無く、この「Q&A」という映画はどうも地味で、どの話も場面も印象に残らない。小説の映画化で、非常に小説的過ぎると言うか、映像的な盛り上がりや目を引く様な演出に欠け、のっぺりとした印象。人種差別、民族差別の話も出て来るけれど、そこまでのこだわりにピンと来ないし、さらにアメリカでのイタリア系、プエルトリコ系の話になると更にピンと来ないので分かり辛い。また今見てしまうと、悪徳でも必要悪と思っている警官や、それを利用する人々等特に新鮮さは無いし、爽やかな歌がかかる緊迫した場面の演出は変な感じだし、抑えた演出で闇を描き出すと言われてもそれは弱くだるい感じになっているだけだし、娯楽映画としての流れや演出等おもしろい訳でもない。つまらない訳ではないが、微妙な出来上がりの映画。
ただ、このニック・ノルティはなかなか良い。太り、髭をたくわえ、下品で暴力的で出来る事なら関わりたくない人間を上手く演じている。映画的には別におもしろくはないので、ニック・ノルティがその柱を支えていた感じ。初め出て来てもニック・ノルティとは気付かなかった。
☆☆☆★★