もしも昨日が選べたら
2011年10月25日 火曜日アメリカのコメディ映画って、日本だと20世紀は大々的に公開され結構当たっていたのに、21世紀に入ってからは特に取り上げられなくなり、折角のおもしろい作品さえあっさり見捨てられる感が強い。その手のコメディ俳優も日本では不遇な感があり、その一人でもあるこの「もしも昨日が選べたら(Click)」の主演アダム・サンドラー。そのアダム・サンドラーがはしゃぐ映画。
展開はコメディ映画としてはベタベタ。ひょんな事から手に入れた万能リモコンで時間を早送りしながら始めは楽しく行けるが、やり過ぎで悲しい感じになり、でも自分の駄目さに気付き改心し感動させ、で、最後は爽快なコメディで終わるという、まあどっかで見た様な、基本的なコメディ映画になっている。しかし、つまらない訳ではなく、下ネタ入れるけれど安心して笑い、泣けて、スカッとさせる手堅い作りで、なかなか良く出来ている。
当然アダム・サンドラーによる所は大きく、無神経に物を言い、下品で子供みたいにはしゃぎ、駄目な大人の感じが満載。そんな人が出来た奥さんに支えられるという、まるで「ザ・シンプソンズ」のホーマーを実写化した感じの人物。主人公の母親の声や喋り方が物凄く個性が強く、「何処かで聞いた事ある様な…?」と思って調べたら、「ザ・シンプソンズ」のマージ役ジュリー・カブナーその人で、途中に「ザ・シンプソンズ」のTシャツ着て来る人いるし、何だかますますホーマーに見えて来ていた。
「もしも、嫌な時間をすっ飛ばせたら。」という、ドラえもんでありそうな題材を大人向けコメディで笑いと感動に仕上げ、オチの付け方が安易だけど上手にまとめ上げ、そんなリモコンが無くても時間はあっと言う間に飛び去りこの映画の様にやり直せる訳ではない事を知った大人ならコメディ以上の怖さを抱えた映画にもなり、でもまあ大人同士で楽しく見れる映画。
見ていて思ったのは、歳を取ったアダム・サンドラーがちょっとアル・パチーノに見えた事。
☆☆☆★★