悪魔のくちづけ

2011年10月13日 木曜日

何の気無しに見た「悪魔のくちづけ(The Serpent’s Kiss)」は何とも形容し難い映画だった。

イギリスの領主の邸宅に新たな庭園を造る話で、それを巡る人間模様を描いた映画なのだけれど、じっくりと庭園の計画から完成まで描き、人々の話はそれ程深くまで入り込む訳でも無く、最後の方に一気に展開するので物語としてはそれ程でも無い。
一番重要な要素の庭園も、この17世紀末のイギリスの背景や文化がさっぱり分からないので、皆は素晴らしいから驚いているのか、突飛だから驚いているのか分からず、見ていても納得が無い。引っ張って置きながらも完成した庭園の全体図を堂々と見せる訳でも無いし、それ程凄い様には見えなく、拡げた風呂敷が大きい分不完全燃焼。

題名に悪魔、原題だとSerpentと入っているので、ホラーを期待してしまうけれど全くホラーでは無く、かと言ってサスペンスや悲劇、人の狂気的な部分は非常に薄く、「そうなんだぁ…。」で終わる位。

ユアン・マクレガー主演でピート・ポスルスウェイトも出ているのに、皆はじける事も無く地味なまま終わって行く。文芸作品という形容が当てはまる、造園ばかりに興味が行き、何だか掴み所の無いフワフワした映画。

☆☆★★★

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