チャイナタウン

2011年09月08日 木曜日

ロマン・ポランスキーというと映画作品以上に自身が波乱で満ちているのは知っていて、けれど映画は見た事が無かったそのポランスキー監督の「チャイナタウン(Chinatown)」を見た。

この1930年代を再現し、男性は皆が帽子を被り、町も車も洒落れ、その雰囲気と反するようなじっとりとした話の雰囲気は見事。置かれている状況や人物の配置も、決して全てを見せず、全てを語る訳ではない上手さがある。そして、後半からの何が本当なのか、そして実はそこに隠れていた嫌な闇が見えて行き、なぜ題名が「チャイナタウン」なのかが分かり、かつそれが見終わってもずっしり来、重い溜息のまま終わって行く流れは非常に良く出来ている。

主人公演じるジャック・ニコルソンもフェイ・ダナウェイも素晴らしい。ジャック・ニコルソンと言うと、「シャイニング」だったり「バットマン」の切れまくっている演技が思い出されるけれど、この愚直で真っ直ぐに生きる男臭い男も上手い。フェイ・ダナウェイも大女優っぷりを魅せるのめり込む様な演技。この二人の濃さに、アカデミー賞ノミネートも頷ける。
驚いたのは、ジャック・ニコルソンの鼻を切ったのがカメオ出演の監督ロマン・ポランスキーで、物凄く小者感と嫌な奴が出ていて役者としても良い。

ゆったりとしているけれど、足を踏み込む程にずぶずぶと落ち込んで行く感じ、雰囲気の良さと俳優達の演技の素晴らしさがたまらない。

☆☆☆★★

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