砲艦サンパブロ

2011年06月16日 木曜日

監督ロバート・ワイズ、主演スティーブ・マックイーンの「砲艦サンパブロ(The Sand Pebbles)」を見た。

混迷する1920年代の中国で、アメリカの砲艦サンパブロの機関士になったジェイク・ホールマン(スティーブ・マックイーン)のお話。
初めは、水兵の外国での日常といった緩やかな展開なのだが、その後は誰もが身動きの取れない悲しい人間模様になって行く。誰もが良き事、良心や幸せを信じての行動なのに、それこそが悲劇の数々の原因となっているという、救いの無い、見ていて悲しすぎる映画。
3時間もある大作だが、立場も考えも違うが何とかもがく人々と、美しい背景を魅せ、また、ネタを振り、こうなって行くのか?と思っていたら、急展開で気持ちをぶった切られる緩急の付け方で、飽きる事も無く見切れる。

スティーブ・マックイーンは、どんな役でも自然に演じている様に見え、すう~っと話に入って行け、本当に良い役者。リチャード・アッテンボローもこれまた悲しい役で出ていたが、おじいちゃんになってからしか見た事無かったので、こんな役者かと改めて認識。

歴史の一部、歴史に揉まれる人々の哀しみを見せる、戦争映画と言うよりも人生映画で、こういう映画を作り上げるロバート・ワイズ、スティーブ・マックイーンは流石の映画人。

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