RED/レッド

2011年06月11日 土曜日

ロベルト・シュヴェンケ監督、ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、ジョン・マルコヴィッチ、ヘレン・ミレン出演の2010年のアメリカ映画「RED/レッド(RED)」。
DCコミックのインプリントのワイルドストームから出版された全3巻のリミテッド・シリーズのコミックス「RED」が原作。

フランク・モーゼズは年金事務所の電話受付のサラ・ロスとの会話を楽しむしがない独り身だったが、ある日謎の男達がフランク・モーゼズの家を襲撃。フランク・モーゼズはあっさりと撃退し、突如サラ・ロスの前に現れる。
サラ・ロスに命が危険だと言うが、サラ・ロスは全く聞かずに暴れるのでフランク・モーゼズは仕方なく拉致してしまう。
実はフランク・モーゼズは元CIAの凄腕エージェントで、数々の極秘作戦に従事していたが、その過去の作戦で命を狙われた事を知る。

予告を見ただけでは、「老練俳優大暴れ!!」なアクション映画位に認識していた「RED/レッド」を見たが、演出・構図・編集・演技、どれをとっても小気味良い爽快で愉快なアクション映画だった。
主役のブルース・ウィリスは静かな方のいつものブルース・ウィリスでそんなでもないのだが、脇を固めるモーガン・フリーマン、ジョン・マルコヴィッチ、ヘレン・ミレンが張り切りまくりで見ていてニコニコしてしまう。
笑かしにかかるマルコヴィッチに、真顔のヘレン・ミレン。
こんなにコメディ映画だとは思わず良い意味で裏切られた。
ブライアン・コックスとヘレン・ミレンの何十年越しの再開と愛とか、役柄的にも演技的にも真面目に暴れるジョン・マルコヴィッチとか、見終わると結局脇役陣が全部持って行ってしまい、ブルース・ウィリスとメアリー=ルイーズ・パーカーの主人公二人の印象が薄くなる位。

自動車内部での前後のカメラ移動や、回転する自動車から降りつつ銃を撃ったり、編集の繋ぎ等の映像的面白さもあり、話もコロコロと転がるので飽きる事無く楽しいまま一気に走って行く。
回転する自動車から、そのままスッと降りての銃撃とか、最後の副大統領襲撃の手際の良い畳みかける攻撃とか、アクション映画としても非常におもしろいし良く出来ていたけれど、一番良かったのはブルース・ウィリスとカール・アーバンのCIAでの戦い。
綺麗なアクションではなく、殴って蹴って、周りの家具やらを倒しながらの攻撃は「おっさんと若者で何してんの?」の面白もあり、かつアクションとしても良く出来ていたし、それに加え、その後にブルース・ウィリスが走って逃げる所へカール・アーバンがガラス越しに銃を撃って、ガラスが割れて落ちながら走って行く姿を見て、映画「ダイハード」を思い出してしまった。

見ていて気になったのは年金貰っているブルース・ウィリスと、その年金担当のメアリー=ルイーズ・パーカーとの恋って歳の差離れ過ぎできついなぁ…と思ったら、メアリー=ルイーズ・パーカーは意外と歳行っていて、この時46歳なんだけどそれを感じさせない若々しさ。 
 
オープニングタイトルで「DC」と出て来るので、所謂「アメコミ」なのだけれど、ヒーローモノのアメコミじゃあなく、スパイ映画、アクション映画の系統で、アメコミと言われないと気付かない。
原書の方の「Red」は、DCコミックスのHomage Comicsレーベルで、ライター:Warren Ellis、アート:Cully Hamner。
映画を見ていたら、「いつものブルース・ウィリスで別にブルース・ウィリスじゃあなくても…。」と思っていたのだけども、原作の主人公のPaul Mosesがツルピカだからからと分かり、なるほど。
映画では小気味良さが良かったが、コミックスの方はパッと見た感じ画的にはバンド・デシネの様で、しかも主人公の顔が濃く、内容も過激そうでもっとハードボイルド寄りそうなので、どんな感じなのだろう?

この映画、アクション映画としてもおもしろいし、ベテラン俳優陣の真顔で冗談言ったり、冗談みたいな事をしているのがおもしろいし、続編を作るのも分かる良く出来た映画。

☆☆☆☆★

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