天の向こう側 – アーサー・C・クラーク

2007年04月02日 月曜日

先週の「明日にとどく」に続き、アーサー・C・クラークの「天の向こう側」を読んだ。

短編集としては、「明日にとどく」よりもこちらの方が好み。
楽しさのある話から、厳しい話や、寓話的な話まで様々だが、「天の向こう側」や「月に賭ける」の様な回顧録風短編集が優しく心地よかった。
確かに当時は「訪れるかもしれない未来」での冒険譚であり、今では「訪れなかった過去」の懐かしさになっているのだが、寧ろ「訪れなかった過去」が現在の様な目的の為の産業ではなく、産業の為の目的になってしまった感でいっぱいではなく、期待と希望に溢れている先をその先の時点で楽しめるのだから不思議なモノ。
しかも泣かせる事も、ニタッとさせる事もあり読後感は良い。
各面を見せる話で楽しい短編集だった。

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