サロゲート
2010年08月25日 水曜日サロゲートを見た。
初っ端から一気に、代替自分ロボット「サロゲート」をドキュメンタリーっぽく説明して、物語に入るのは上手いやり方なのだけれど、所々引っかかる所があって最後までこの設定にしっくり来なかった。それは、「サロゲートの爆発的な普及で、十数年で95%の人が持っている」とか、「サロゲートの普及で犯罪が減少」とかSFとしては設定が緩すぎる感じがして、SFなのにファンタジー感で見てしまった。また、サロゲートは機構上全然完璧ではないのに、なぜか現実社会では長い間完璧に問題なく運用されているというもの、緩い所。話の展開上、そうしておかないとややこしくなるからだろうけれど、もう少し深く設定を作っておかないと身が入らない。
サロゲートで「上手い!」と思ったのは、やはりサロゲート。これが「マトリックス」の様な仮想現実モノや、「アイ,ロボット」の様ないかにも機械のロボットだと、CGや人との合成で時間もお金もかかる所を、この「サロゲート」では、「サロゲートはどうらんが濃い!」で済ませている。KRAFTWERKみたい。
主演のブルース・ウィリスは、アクション映画以外のいつもの抑えた演技で見慣れた感はあったけれど、あの髭面はなかなか良い。
話的には、「技術は止められない」でもなく、じゃあ「人間らしさへの回帰」かと言うとサロゲート拒否派は明らかに悪者だしで、中途半端。アクション映画としても、もっと面白く出来たとも見ていると思わせるし、推理の部分もそれ程でもなし、SFとしては設定が緩すぎるしで、やっぱり中途半端な映画。
で、これ、コミックスの映画化だったとは。
元は「The Surrogates」という題で、2005年から2006年にかけてリミテッド・シリーズとしてTop Shelf Productionsから5冊出ていた模様。
プレヴューを見てみた感じでは、Brett Weldeleの画はなかなか良い感じだし、主人公は映画以上に冴えない感じで、おもしろそうなんだけれどなぁ。まあ、原作有りの映画は、別物でも原作とはまた違ったおもしろさで良い出来になるのはなかなか無いからなぁ。
ところで、アラン・ムーアとケヴィン・オニールの「リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン」の三巻目「The League of Extraordinary Gentlemen, Volume III: Century」がTop Shelf Productionsから出ているのは知らなかった。