「猿の惑星: 創世記」をもう一度見てみました。

2026年10月27日 火曜日

ルパート・ワイアット監督、ジェームズ・フランコ主演の2011年公開のアメリカ映画「猿の惑星: 創世記(Rise of the Planet of the Apes)」
これまでの過去の映画とは関連が無く、新たにシリーズ化された映画の一作目。

ジェネシス社に勤める化学者のウィル・ロッドマンは父親がアルツハイマー病でもあるため為に遺伝子治療薬を開発していた。
その新薬をチンパンジーに投与すると飛躍的な知能の発達が認められたが、そのチンパンジーは暴れ出したので射殺されてしまった。
そのチンパンジーは子供を産んでおり、子供を守ろうとして攻撃的になっていたのだった。
ウィルはそのチンパンジーの子供を密かに連れて帰ってシーザーと名付けて自宅で育てるが、シーザーは母親に投与された薬の影響で非常に賢い事が分かり、人間の言葉や行動を理解し手話で会話出来る様にまでなった。
アルツハイマー病が進行する父親がいたたまれなくなったウィルはシーザーへの効果を見て父親にも新薬を投与するとアルツハイマー病が完治した。
しかし、時間が経つに連れ父親の体内で薬に対抗する免疫が出来て父親は元に戻ってしまった。
そんな父親が隣人とが揉めたのを見かけたシーザーは隣人を襲ってしまい保護施設へと連れて行かれてしまった。
そこでシーザーは初めて自分以外のチンパンジー達と出会い、施設での虐待もあって人間に対する考え方が変わり、チンパンジー達をまとめて施設からの脱出を考え始めた。

Amazon プライムビデオで猿の惑星シリーズが一気に配信終了となる予定だったので、2010年代以降の映画を見ていないので見たいと思い、だったら以前の1970年代の初めのシリーズを見てから見てみようと思ったものの、何故か一作目だけが見放題には入っておらず、一作目は以前見た事があったので、しょうがないので二作目から見始めて五作目まで見終わり、「PLANET OF THE APES/猿の惑星」も見終わってのやっとの新シリーズのこの映画。

初めて見たと思っていたけれどシーザーが入った保護施設の景色が見た事ある様な気がしたのでこのサイトで調べてみたら、以前に見ていた。
以前に見た事を憶えていない位印象には残っておらず、改めて見てもこの映画が当たって評判も良かったから続編が作れたのだからおもしろいはずと思って見ていたのにずっとおもしろくは無く、以前見た感想と余り変わらなかった。

おもしろくなかった根本的な部分は、題名に「猿の惑星」を冠していて、原題でも「Rise of the Planet of the Apes」なので「猿の惑星」的なモノを期待するのは当然だと思うのだけれど、全然「猿の惑星」じゃあない事。
「猿の惑星」のおもしろさって、猿が人間を支配している逆転した世界の中に本来なら通常の人間が異質な存在として突然現れるおもしろさで、その一作目以降の映画では一作目を発展させた世界観で色々とするおもしさだったのに、この映画は「猿の惑星」になる前の如何にして「猿の惑星」になるのかの前日譚の始まり部分だけしかないので「猿の惑星」のおもしろさが無い。
これまでの「猿の惑星」の映画が頭にあるので見れたけれど、単に人間に虐待された猿が蜂起するだけの話って何がおもしろいんだろうと思って見ていた。
猿の惑星での色々があって、その世界や猿達がどうして誕生したのかを後から見せるなら「成程ねぇ。」と思って見れるのに、まず見せたい一番の目的の世界の前段階から見せられても「これは後からすればいいじゃん」としか思わなかった。

話がおもしろければ良いのだろうけれど、その話もおもしろくない。
「猿の惑星」と銘打っていて、この設定で始まればシーザーが賢くなって蜂起するという展開は当たり前で、分かり切った事を改めて見せられても粗筋をなぞっているだけにしか思えず何も興味が湧かなかった。

それに、話は一直線にシーザーが蜂起するだけなので、この映画に興味を持って入って行けるかどうかは多分登場人物に対する共感があるかないかだと思うのだけれど、わたしは人間側の主人公ウィルにも、シーザーにも思い入れられずだったので興味が湧かなかったのだと思う。
ウィルはシーザーを不憫に思い家族として育て、問題を起こしたので施設に入れられる事になってしまったので何とか助けたいという部分に共感させる様な見せ方にはなっていたけれど、ウィルは自分勝手で後先考えずに行動するので共感性は無かった。
父親の為と思って会社から薬をくすねて本人の同意も得ずにまだ試験状態の薬を打つし、可哀そうだからと住宅地で秘密裏にチンパンジーを飼ってしまい、当然人間とチンパンジーで問題が起きるけれどシーザー本位で管理は甘いし、シーザーが施設に入った後「家に帰ろう」とは口で言っているけれど問題を起こしたチンパンジーを引き受ける為に家に檻を作るとかの周りに言い訳出来る具体的な行動は見せずに施設員をお金で買収するという行動に出て、自分がその時思った気持ち良い行動をするだけの自分勝手な人間なので、この人物に何を共感したらいいのか分からない。
何よりシーザーを生み出したり猿を賢くしてしまった薬や、今後人間が衰退するであろう危険な薬を開発していたのはウィルで、猿の惑星になった大元の原因はこの薬であり、被害者面しているけれどウィルこそが全ての元凶だと思えて、猿の惑星を阻止する為にまずウィルを撃ち殺せよと思ってしまった。
それに、管理して実験しているはずのチンパンジーが妊娠していたり子供を産んでいた事すら把握していなかったり、どうなるのかまだ分からない薬が二、三本無くなっても把握していない位薬の管理が甘かったり、薬の実験結果や情報を見ずにチンパンジーが暴れたから開発を中止したり、実験結果や情報を見ずに直ぐに開発を再開したりする色んな所がガバガバな会社も大分問題で、これは脚本上都合がいいだけ。

シーザーの方も、そりゃあ管理の甘いウィルのせいでシーザーが何か問題を起こせば施設に入らざるを得ないし、施設員が展開上分かりやすく虐待するので展開上の行動が覚めたし、シーザーが徐々に考えて猿達を率い始めると後の猿の惑星を想像してしまうので段々と怖くなり、最後に蜂起した時は会社の社長の言う通りに「あのリーダーを殺せ!」と思ってしまって、元々わたしは色んな事に対して共感性が薄いという事もあるのだろうけれどシーザーに対する共感性も無かった。
「猿の惑星・征服」の時のシーザーことマイロもそうだったけれど、話が進むにつれて段々と怖く感じてしまうのは展開上仕方ないのかとも思う。
これが猿でなくとも、例えば、ある人間が虐げられて初めは可哀そうに思っても虐げる相手に対する反抗や復讐を思い始め、そこから仲間を集めて組織化して、自分には直接関係ないけれど「あいつら」で一まとめに思った相手達に対して町中で建物や家々を大規模に破壊し始めたら怖さしか感じなくて、主人公が段々と悪役にしか見えなくなって来るのだと思うのだけれど。

最後も、シーザーは生きる為ではあろうけれど、全ての問題の原因だったのに被害者面したウィルがあれだけ人を殺して問題を起こしたシーザー達に対して「そうか…。」でシーザーを認めて終わってしまうとはやっぱりウィルの無責任さったら無い。
現実の世界でもし飼っていたペットが凶暴になって暴れ出して誰かを傷付けたり、殺しまでしたのに、「あの子は生きる為にやったんだ!」と言って自然に放って後は知りませんと言う様な人間がいたら相当批判される悪者でしかないけれどなぁ。

これまでの猿の惑星の映画同様SF部分の説明は不足しているし、安易だし、都合が良いという伝統を変わらず引き継いでいるのもどうなの?という部分。
人間には致死的だけれど人間以外の類人猿には知能や行動力が上がる薬の都合の良さや、初めは薬なので注射で打つ液体だったのが、それだとシーザーが他の猿に投与出来ないので何時の間にかガスになっていて一気に他の猿に投与出来たり、薬を吸い込んだ後結構直ぐに賢くなってシーザーの言う事に従う謎の即効性と隷属性もそうだし、動物園の猿達は薬吸っていなかったはずなのに何でシーザーの配下になっているの?とか、突っ込み出すと切りがない。
そう言えば、何でサンフランシスコにはあんなに猿がいたの?というのも疑問。
製薬会社が実験する為に外部で猿を扱う様な事をしていたのか?と思うけれど特に説明は無いし、問題のある猿を専門的に扱う保護施設がある位に猿がサンフランシスコにいるって、そもそもどれだけ猿がいるの?とは思ったし、そう言えばウィルも家でチンパンジーを飼う事に関して届け出を出したとか、飼育の為の訓練や説明や家の施設管理に関する注意を受けたみたいな話も無いので、このサンフランシスコでは猿を飼う事が流行っていて、自由に猿を飼い放題なの?とも思ったけれど他の人が猿を飼っていた様子も無いし、まず人間の中の猿の扱いがお座なり。

それに、CGアニメーションも良くなかった。
元々、ハリウッド映画で実際の動物をCGで描くと本物の動物がしそうにない位のグニョングニョンとした動かし過ぎる動きがわざとらしくて醒めてしまい、この映画でも猿が動き過ぎで、よく動き出すとそこから急にCGアニメーション映画になって違和感しかないし、シーザーも多分顔の表情をモーションキャプチャーで動きを取ってCGアニメーション化しているのだろうけれど、それも大袈裟なので、これも実写なのに急にCGアニメーションなるので白けてしまう。
内容は普通ではあったけれど「PLANET OF THE APES/猿の惑星」の方が猿の特殊メイクが非常に良くて現実味があって表情も豊かで、特殊メイクで役者が演じているので演技としては「PLANET OF THE APES/猿の惑星」の方が良くて、猿を見るなら「PLANET OF THE APES/猿の惑星」の方が全然良かったし、「猿の惑星」を作り直した映画で言うなら「PLANET OF THE APES/猿の惑星」の方が「猿の惑星」だった。

醒めてしまった、白けてしまったで言えば、シーザーが喋った時。
これは吹き替え版を見てしまった事が失敗だったのだけれど、元々は字幕版があったので字幕版で見ようと思ったら旧作のシリーズでも「(字幕版)」とは書かれているけれど英語字幕しかないのがこの映画でもそうで、話の展開上人間の薬や化学の話が多そうなので、そうなるとよく分からない知らない単語が出て来たりして字幕を読んで理解する前に次の字幕が出て来て何を言っているか分からなくなると思って普段は見ない吹き替え版で見てしまったのだけれど、吹き替えだとシーザーが行き成り「だめだ!」と喋り出すものだから笑ってしまったし、不自然でしかなく一気に醒めてしまった。
これは多分原語だと「No!」と言っていて、「No」なら動物の唸り声から近い発音なので違和感もないだろうし、旧作でも人間が猿に「No」と言うと過去の猿への虐待を思い出させるので猿に使ってはいけない禁句だった事への繋がりがあって寧ろおもしろがれる所なんだろうけれど、「だめだ!」とはっきりと発音し、しかも声に変な効果がかかった加工音声感しかない声で喋るので白けてしまった。
こういう事もあるので吹き替え版で見たくない事もある。

そう言えば、保護施設の管理者役でブライアン・コックスが出ていて、わざわざブライアン・コックスを出しているのでこの役が何かあるのかと思いきや特に何も無かったのは何なのだろう?
ブライアン・コックスが猿に対して何かする役でもないし、自分の息子が猿に殺された事を知って何とも言えない顔をしていたのをわざわざ寄りで入れていたから後から何かあるのかと思ったけれどそこまででそれ以降出番は無かったし。

この映画、「猿の惑星」と銘打ち、新たなシリーズの一作目なのに行き成り「猿の惑星」の前日譚から始まったので「猿の惑星」でもないので興味も持てず、「猿の惑星」にもならない自分勝手な人間のせいで猿が蜂起した話を見ていてもずっとおもしろくないままで、これが始まりでまだ後三作もあるのかと思うと大分きついシリーズだと思ってしまった映画でした。

☆★★★★
 
 
関連:「続・猿の惑星」をもう一度見てみました。
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   PLANET OF THE APES/猿の惑星

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