霊幻百鬼 人嚇鬼

2026年10月13日 火曜日

チン・ユーサン監督・出演、ラム・チェンイン主演の1984年の映画「霊幻百鬼 人嚇鬼(人嚇鬼 Hocus Pocus)」

巡業公演をしている旅京劇団一座がある村で公演を開こうとするが、一座の看板役者と新人が揉め事を起こしていた。
そのいざこざの最中に看板役者がおかしくなり、その原因は幽霊に憑かれたらしいと分かった。
一座の座長が幽霊を引っ張り出し事情を聞くと、芝居小屋の下の地面に自分の骨が埋まっており、それを供養して欲しいと願い出て来た。
一座の劇団員達で骨を掘り起こして墓を作ったが、その骨は別の者の骨で、その骨の主の幽霊は怒って劇団員達に襲い掛かって来た。

古い香港映画を見る流行が来ていて、その中でサモ・ハン・キンポーの映画を見ていて古い時代の映画から見ようと思っていたのだけれど「霊幻道士」の配信終了が間近だったので先に「霊幻道士」を見てから、その元となったと言われている映画シリーズの「妖術秘伝・鬼打鬼」を見たので、シリーズ続編の三作目となっているらしいこの映画も続けて見てみた。
ただ、「妖術秘伝・鬼打鬼」「霊幻師弟 人嚇人」とも全く関係の無い映画で、しかもこの映画までの二作の映画ではサモ・ハン・キンポーが主演で、「妖術秘伝・鬼打鬼」は監督・脚本も担当し、「妖術秘伝・鬼打鬼」では脚本担当だったけれど、この映画では主役はサモ・ハン・キンポーどころか出演もしておらず、関わっているのは製作のみで、サモ・ハン・キンポーのシリーズでもなくなってしまっている。
サモ・ハン・キンポーの映画でデブゴンシリーズと言われている「デブゴン~」と数字が付いている映画も勝手に邦題を付けてシリーズかの様にしているだけだったし、この映画も日本で勝手にシリーズだと言っているだけかもしれない。

話は、序盤中盤ずっと劇団内でのいざこざで怪奇モノでも恐怖モノでもなく、中盤になって幽霊が現れて劇団員達にいたずらを仕掛けるけれど笑いの方にしていて、つまらない展開が延々と続くので非常に退屈だった。
そして、終盤残り十五分位になって、そこまではしょうもないいたずらの緩い笑いの話だったのが、劇団が別の幽霊に襲われて死亡者が出たり、幽霊対劇団員の飛んだり跳ねたりの活劇になる急展開の方向性転換が起きるので何だか煙に巻かれた感じで終わってしまう。
終盤までおもしろくない話で引っ張り続けたので、最後になって急に大活劇にしておかないと映画として成立しないと思ったからだろうか?
最後の活劇は敵の幽霊は飛び続けて攻撃して来るし、人間側も幽霊に攻撃されて小屋を壊しながら吹っ飛びまくるのでおもしろくはあり、何でここをもっと増やしたり、そもそもこういう見せる場面を序盤から作らなかったのかと思ってしまった。

多分、主演としてはラム・チェンインだと思うけれどラム・チェンインの出番は少なく、中盤までの話の主役はトン・ワイ演じる新人で、でも最後にトン・ワイが大活躍とはならず、目立つのはラム・チェンインなので、そこの配分も不味い。

ラム・チェンインの役は京劇の元役者であり、一座の座長であるのだけれどやたらと霊に詳しく、その対処法にも詳しい人物で、こういう人物像は「霊幻師弟 人嚇人」でもそうだったし、「霊幻道士」では正にそうだしで、ラム・チェンインの役は似た様な人物で通しているのは興味が行った部分。

この映画、劇団員のいざこざはどうでもいい話だし、幽霊のいたずらはおもしろくはないしで、ずっと興味も無く退屈で、最後の十分位の戦いの派手さはおもしろいものの、そこは取って付けた様なおまけ感ばかりで、意図は分かるけれど脚本のつまらなさばかりを感じてしまう映画でした。

☆★★★★

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