燃えよデブゴン10 友情拳
2026年09月26日 土曜日サモ・ハン・キンポー監督・脚本・出演・武術指導、カサノバ・ウォン主演の1978年の香港映画「燃えよデブゴン10 友情拳(贊先生與找錢華 Warriors Two)」
両替商で働いているファーは、両替商の主人が手下を集めて町長を暗殺して町長になって町を乗っ取る計画を話しているのを聞いてしまう。
ファーに計画を知られたと分かり、両替商の主人は手下を使ってファーを襲うが、ファーは何とか逃げ出せた。
手負いのファーは知り合いのデブ春に助けられ、デブ春の詠春拳の師匠ツァンの下へ運ばれて手当を受けた。
両替商の主人は手下に町長を襲わせて町長代理となり、手下にファーを見つけ出させようとしてファーの母親を殺害。
それを知ったファーは復讐に行こうとするが、今のままでは勝てないとデブ春に止められ、ツァンの弟子となり修行を始める。
しかし、ツァンが手下に襲われて死亡し、ファーはデブ春とツァンの娘と共に復讐の為に敵の下に乗り込んで行った。
古い香港映画を見る流行が来ていて、その中でサモ・ハン・キンポーの映画を古い順に見ようと思い調べていたら、配信の中にデブゴンシリーズの「デブゴン10」と「デブゴン7」があったので、これだけシリーズが続いているなら順番に見て行った方が良いのかと思って調べたら、映画「燃えよデブゴン」が当たったので、それ以降のサモ・ハン・キンポーの映画は何も関連性も無いのに邦題を勝手に「デブゴン」と付けて行ったそうなので、関係無いならという事で製作年代が古い方から見たこの映画。
映画の初めにツァンとファーのカンフー映像と共に紹介台詞があって、この二人が原題の贊先生と找錢華の事なので、この二人が主役なんだろうとは思って見始めると初めはサモ・ハン・キンポーのデブ春の話ばかり。
その後デブ春がファーと出会って本題が始まって行くので、誰が主人公なのか分からないままで進んで行って結構混乱したままで見ていた。
この時代位の香港のカンフー映画って、やたらと脇役や敵役の行動に時間を割いて、主役のはずの人が全然出て来なくなって暫くしてから主役の話に戻ってという事がよくあり、それがこの映画でもなので主役のファーの印象が薄く、笑い担当で、しかも動けるデブのサモ・ハン・キンポーの方が印象が強いし、師匠ツァンは出番は多くないものの拳法の動きの理由をちゃんと説明しながら拳法を見せるのでこちらも印象は強く、中盤辺りまで誰が主人公なのか分からなくなって来る。
最後はファーとデブ春と娘で乗り込むので、まあファーとデブ春の物語なんだろうとは思うのだけれど。
それだと原題はよく分からなくなって来るし。
展開としては最後に乗り込む人がファーとデブ春なのは分かるし、殺された師匠の娘がいるのは分かるのだけれど、この娘の存在は微妙。
娘は序盤で出て来てはいたけれど出番はほとんど無く、最後になって急に主要人物に格上げされた感じ。
何だそれは?と思うのは他にもあって、そもそも敵の主人は町長になるのが目的ではあるけれど町長になってどうするのかを言わないし、描かないので敵が曖昧な存在のまま。
町長になって更なる高利貸しで暴利を貪るとか、町長の権利で町の運営を自分に有利にするとかも無く、表向きの顔は非常に良い人で多くの人からの人望が厚いのでそのままで良いのに何がしたいのか分からなく、この人は何が目的なの?とずっと思っていた。
一番の不可解だったのが、最後の戦いで敵の主人が突然顔に手をかけたと思ったら今までの白髪や白い髭は実は仮面で、下の本当の顔は黒髪で若い人物だった!となる事。
これは何の前振りも無いので、正体は実は…!をやる意味が分からない。
しかも、この本性を表す事に対してこの後にも何の説明も無い。
確かにこの主人は若い人が演じているのに白髪というのが不自然ではあるけれど、この時代の香港映画だと若いのに年寄り役というのが結構あるのでそのまま見ていたので不自然さはそれ程無かったけれど、ここら辺はよく言われている台本が無かったという香港映画だからか、大筋だけ決めて、その場で思い立った事、最後に驚きを入れたかったからかなぁとは思う。
それとも若い人が年寄り役をする事に対する皮肉か何かだったのだろうか?
話は、この時代の香港カンフー映画で多発する、悪者が主人公側の財産を狙ったり、顔を潰す為に嫌がらせを続けるけれど主人公側がそれに耐え、でも結局は最後に主人公が敵を皆殺しにするというお馴染みの展開なので大しておもしろくはなかったけれど、中盤の師匠の下での修行はおもしろかった。
ちゃんと師匠がこれはこうだからこういう動きになるとか、この訓練によってこうなるとかを全部一々説明してくれる。
こういうカンフーモノだと特に説明せずにとにかくやれでやらせて、それが後にこういう動きを学び、訓練する為のモノだったと分かるのが多い中で、非常に理論的に拳法を説明するのは関心してしまった。
その分か、最後の戦いであの訓練がこれになったというのは弱かったけれど。
それに、修行方法もおもしろく、多分師匠発案の自動でこちらに迫って来て、押し返せると止まる木人とか、棒を使って輪っかの向こうにある玉を付くとか、棒で種を割るとかの修行は無茶苦茶と現実味が合わさっていて、ニヤニヤしながらも納得して見れた。
この映画、「デブゴン」と思ってサモ・ハン・キンポー目当てで見るとサモ・ハン・キンポーが主役という訳でもないので微妙だし、話は典型的だし、カンフーはそんなに目を引く訳でないのに結構多めで飽きる部分はあるけれど、中盤の説明付きの修行場面は関心を持って見れて、そこはおもしろい映画でした。
☆☆★★★